◆Pear Milk Jasmine 覧古考新

 3皿目に登場するのは、スダチの皮と果汁を加えた和梨のすりおろしが添えられた、フェンネルが香るミルクと白あんの水ようかん!

 国産のフレッシュなジャスミンの花にハチミツとレモン、水を加えて漬け込んだシロップをたっぷりかけて味わえば、気品あふれるフローラルで甘やかな香りに体じゅうが包まれます。おだやかでいて、口の中でめくるめく花開く香りにただただうっとり、夢見心地のひと皿です。

◆Pumpkin Parmigiano 交差点

 コースの半ばには、パティシエと料理人の技術とセンスが“交差”する、シュー生地を使ったカボチャのニョッキが。絞り袋で絞ってゆで上げたニョッキにバターやローズマリーを和え、仕上げに焦がしバターとカボチャのソース、パルメザンチーズをかけて供されます。

 口に入れればふわっ、とろっとしたニョッキにソースやチーズがからみ、何とも心和む新食感。「料理人である僕と、パティシエであるスタッフたちとの共通言語のようなものを探り、“お菓子の技術を用いた料理すぎない塩けのあるひと皿”として考えたのが、このニョッキ。お菓子なのか料理なのかわからないような食感と、甘みと塩気が、おもしろいと思います」と、田村さん。ペアリングドリンクは、ほうじ茶をベースにした温かいブレンドティーを。

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