全6室オールスイートのスモール・ラグジュアリー・ホテル
煉瓦造りの洋館や教会が点在し、どこか異国の香りが感じられる函館の街。この地で100年以上の歴史を刻んできた歴史的建造物「旧ロシア領事館」を改修し、新たなイノベーションを吹き込んだ全6室オールスイートのスモール・ラグジュアリー・ホテルが2025年7月にオープンした。その名は、「HOTEL 白林(びゃくりん)HAKODATE」。

同ホテルは、往年の美しい面影が色濃く残る「領事館棟」と、“心も体も整うウェルネス・リトリート”をテーマに掲げたスタイリッシュな「ウェルネス棟」からなり、趣の異なる2つの棟を行き来しながら過ごす、大人のための特別な時間を約束してくれる。


「旧ロシア領事館」を改修し、歴史の中に足を踏み入れたかのような「領事館棟」には、プライベートサウナ&水風呂を完備したモダンで上品なスイート客室が2室。
そして、新たに増築されたスタイリッシュな「ウェルネス棟」には、プライベートサウナ&水風呂、さらに半屋外露天風呂を完備したスイート客室4室がある。

同ホテルの特徴でもあり、こだわりのひとつが「ウェルネススペース」の存在だ。
「ウェルネス棟」に設けられた、吹き抜けの開放的な空間「ウェルネススペース」には、暖炉のほか、ジャグジー、小プール、ドライサウナ、ミストサウナが設置されている。水と炎、温水と冷水の共演が心身を緩やかに解き放ち、体と脳をリフレッシュ。さらに樹々のそよぎに耳を澄ませることで、心身を潤わせる静かな時間が待っている。
「ウェルネス棟」2階のジムには、テクノジム製スミスマシン、トレッドミルを設置し、フィジカルトレーニングも思いのまま。また、パブリックスペースの絵画や、ライブラリーで開いた一冊の本に、ほっと安らぐひとときもまた贅沢そのものだ。

もうひとつのこだわりは、函館の地ならではの美食だ。
わずか6室のホテルながら、メインダイニング、すし処、バーと、「領事館棟」に3つの飲食施設を持ち、地元函館や道内の旬の食材を巧みに使ったメニューを堪能させてくれる。

「Main Dining 白夜」で腕を振るうのは、総料理長の因藤徳郁氏だ。フランスでベルナール・ロワゾー、ジャック・マキシマンの両氏に師事し、帰国後は外資系ホテルなどのエグゼクティブシェフを経て、満を持して北海道に帰郷。豊かな“EZO食材”と真摯に向き合い、繊細かつダイナミックな料理で魅了する。
また函館の地で、50年間ロシア料理を手がけてきた吉田セベリー和子氏による、領事館へのオマージュを込めた特製の温かいピロシキがアミューズに提供されるほか、季節のフルーツを用いた自家製デザート、シャンパーニュやワインなど。ここでしか味わえない、美食の数々を心ゆくまで満喫することができる。
そして、美しい白木のカウンター7席のみの「すし処 船見」では函館近海や道内の旬の魚介など、季節ごとの‟EZO前”すしを。「Bar Hakodadi」では豊富な銘酒と特製のオリジナルカクテルを楽しませる。

心身を癒す「ウェルネス棟」と、舌を喜ばせる「領事館棟」からなる「HOTEL 白林 HAKODATE」が掲げるメッセージは、“ここに滞在するために旅をする、そんなホテルでありたい”、だ。函館に誕生した新たなこの大人のためのホテルはワンランク上のステイを叶え、何度でも通いたくなる“旅先”のひとつになりそうだ。
HOTEL 白林 HAKODATE(ホテル びゃくりん はこだて)
所在地 北海道函館市船見町17-3
電話番号 0138-83-2273(代)
https://www.biaclyn.com/

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2025.10.07(火)
文=立花奈緒(ブレーンシップ)
写真=合田昌弘