みんなよくやるなと思うぐらいしんどかった「脂肪移植」
――その後も手術はされているんですか?
あやか この時は骨がメインの手術だったんですけど、それ以外にも目の位置を動かしたり、何十回もしてますね。
――最初の手術が大変だっただけに、後は少し楽に感じるものですか。
あやか 今から12年ほど前に、神経と一緒に太ももから顔に脂肪を移植する手術をしたんですけど、骨を伸ばす手術と同じくらいしんどかったです。
――脂肪注入は整形の分野でもよく聞きますよね。
あやか そうですよね。でも、この手術を機に、整形を甘く見たらダメだな、と思うようになりました。私の場合は“整形”ではなく“形成”ですけど、みんなよくやるなと思うぐらい、脂肪移植はしんどかった。

――それは太もものほうが痛いんですか?
あやか 私は太ももの裏とお尻から脂肪と神経を取って顔に移植したんですけど、脂肪を取った太ももの方があざだらけになって、痛すぎて座れないし、しゃがめない。日常生活を送るのも大変だったので、もう一生やりたくないですね。
――脂肪を移植することで、お顔にふっくら感を出した、ということですか。
あやか そうですね。左頬が膨らんだのでそれはよかったんですけど、その分、顔がまん丸くなっちゃったので、「あれ?」みたいな。何回手術をしても、実際にやってみないと仕上がりはわからないし、どこかひとつ調整すると、「今度はこっちのバランスが気になる」みたいになるんですよね。
背中には金具が入ったまま
――今、日常生活で注意しなくてはいけないことは?
あやか 私、顔だけじゃなくて側弯症という持病もあって、25年前に曲がった背骨を戻す手術を受けました。
その手術で背骨に金具が入っていて、本当はその金具を抜かなきゃいけないんですけど、顔の方でそれどころじゃなくて、今もずっと金具が入っている状態で。それもあって、転んじゃいけないし、背中に負担をかけちゃいけないので、重いものは持たないようにしています。
あとは、やっぱり左側は気をつけてますかね。
――左側が見えにくい、聞こえにくい、ということで。
あやか そうです。左側から「おーい」って声をかけられても気づかないことがあるし、突然何か出てきてもわからないので、気をつけてます。でも、免許は取れたので、運転はできます。
――就職などで病気が影響することもありますか?
あやか さっき、コンプレックスはなかったと話しましたけど、大人になって都会に出てはじめて、「自分は人と違うんだ」みたいに思うようになったんです。

写真=釜谷洋史/文藝春秋
〈《金具で顔の骨を伸ばし、脂肪移植も》「こんな見た目の自分はダメだよね」と…ギャルに憧れた片目眼帯の女性(33)が語る、おしゃれ眼帯をつけ始めたワケ〉へ続く

2025.09.04(木)
文=小泉なつみ