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ワインカーヴをイメージしたダイニング

 昨年、全面リニューアルしたメインダイニング「OTTO SETTE」(オットセッテ)」は、ワインカーヴ(ワインを貯蔵するための地下倉庫や洞窟のこと)をイメージした空間です。

「ワインカーヴというのは本来、衛生管理の面からも簡単に見学などはできない場所です。ただ、そこでワインが静かに熟成されていくというストーリーも含め、非常に美しく神聖な雰囲気がある。それを感じながら食事を楽しんでいただきたいと考えました。工法としては非常に難しかったため、じつはいくつもの業者さんに断られたりもしたのですが、お客様の様子を見ていると、妥協しなくてよかったと思います」(髙橋支配人)

 「OTTO SETTE」は、開業当初から「ワインと野菜」を追求してきましたが、改装を経てさらに深みが増したよう。今の時期は、八ヶ岳の夏を味わう、桃と夏野菜をテーマにしたディナーコースを提供しています。※1人18,000円(税サ込)、ワインペアリング9,500円。

 八ヶ岳の夏ならではの花ズッキーニ、トマトやルバーブといった旬の食材を、前菜からデザートまですべての料理に使用したこの土地ならではの料理。そのひと皿ひと皿に合わせてソムリエが提案するワインペアリングも絶妙です。

 シェフの鎌田匡人さんは「生産者の方々とは長年のお付き合いのなかで連携を強め、こちらからもリクエストして多様な野菜を作っていただいています。八ヶ岳野菜のポテンシャル、それを育む自然をより深く追求し、お客様に唯一無二の食体験をご提供していきたいですね」と、にっこり。

 ソムリエの加茂文彦さんも「ここ10年ほどで山梨にはたくさんの素晴らしいワイナリーが誕生しています。今後は山梨のワインをフィーチャーしたワインリストを作っていきたいと思っています」と、力強くお話されていたのが印象的でした。

2025.08.13(水)
文=伊藤由起
写真=橋本 篤
写真協力=リゾナーレ八ヶ岳