
誰かの配慮に欠ける言動にモヤッとしながらも、波風立てるのは嫌だし……と言いたい言葉を飲み込んでしまった経験は、誰しもあるのでは? こんなとき、相手も自分も不快にならないスマートな言葉でユーモアたっぷりに気持ちを伝えられたら、毎日がもっとラクになるはずなのに――。
そこでおすすめしたいのが、「京都弁」。“お髭の京都人”こと芸人・長谷川大祐さんがSNSでアップしている「京都人ショート動画」です。不快な言葉を平気で投げかけてくる人や公共の場でマナーを顧みない人を、はんなり笑顔と毒っ気たっぷりの京都弁でぶった斬る。痛快お茶目な(ちょっと怖い!?)京都人映像にスカッと癒される人が続出中なのだとか。
今の世の中、正面きって闘っても解決できないことの方が多いからこそ、斜め上すぎるトークで相手をケムに巻き、場を丸く収める「京都弁」をあなたもマスターしてみませんか?
祇園仕込みの“ねちこい喋り”がバズった理由
――長谷川さんは生まれも育ちも京都なんですよね。
そうですね。2010年にNSC(吉本総合芸能学院)に入って、一年ぐらいして大阪に引っ越したんですけど、それまではずっと京都。よく「京都のどこの人?」と聞かれるんですけど、動画の内容上、出身次第で色々言うてくれはる人もいらっしゃるので一応、京都市内出身とだけ言わせてもろてます。
――では、「京都人動画」を始めたきっかけは?
吉本に入って「お前、えらいねちこい喋り方すんな~」と言われるようになって、「自分では普通に喋ってんのに」って。京都の外に出て、初めて「京都人」というものを意識したんです。で、「あんたらの方が言い方キツいけどな。もっと違う言い方したらええのに~」と思うことが増えて、その経験をもとに、まず「ものの言い換え」のネタを始めたんです。
最初のうちは、特に京都とかは打ち出さず、「お前、今日の服変やな」とか言うてくる人に「なんで『今日、雰囲気違うな』とか言えへんの~?」と言い換える感じで。
――確かにまわりくどい「言い換え」は京都人の特徴でもあります。
そうなんですよ。だから言い換えのネタをやるうちに、だんだん「京都人vs非京都人」みたいな漫才にした方がわかりやすいんちゃうかなと。最初はコンビで京都人ネタを始めたんですが、僕の京都人気質のせいかコンビがなかなか続かず(笑)。仕方なく一人二役で動画を撮ってみたら、自分の中でしっくりきたんです。
2025.07.31(木)
文=井口啓子