監督に信頼されるような俳優になりたい

――完成した作品をご覧になったときの印象はどうでしたか?

 試写のときはドキドキしていて、自分の出た作品で初めて直視できなかったですね。多くの方に観てほしいという気持ちの一方で、自分自身も知らなかった部分まで映っているので、どこか観られたくないみたいな複雑な気持ち。この映画のそんなイメージは、これからも変わらないような気がしますね。じつは監督も同じような気持ちらしいんですよ……(笑)。以前から物怖じするタイプではないんですが、この作品に出会ったことで、現場で表現することに怖さがなくなりました。あと、何を見られても恥ずかしくなくなりましたね(笑)。

――公開と同時期には舞台「タンブリングFINAL」にも出演されますが、ここでも新たな須賀さんの姿を見られそうですね。

 今、芝居の稽古とは別に、週2、3日新体操のトレーニングをしているのですが、キャスト6人の気持ちや呼吸を合わせるのが大変ですね。もともと、アクションが好きでバック転とかはできるので、アクロバットを楽しんではいるんですけど、部長役ということもあって、いかにお互いのクセみたいなものを理解していくかが今後の課題だと思っていますね。

――将来的にはどのような俳優を目指していきたいですか? やはり、この業界に入ったきっかけとなった特撮戦隊モノへの憧れはあるのでしょうか?

 戦隊モノはいつかやりたいですね。前はリーダーである“レッド”に対する想いが強かったんですが、今はそこまでこだわっていません。また、ワイヤーアクションもそうだし、いろんな作品に出演して、いろんな経験をしたい。あと、三池崇史監督や福田雄一監督のように、作品の大きさに関わらず、それぞれの作品の規模の範囲で勝負している人に憧れているんです。俳優でいえば、ゲストっぽいかたちで出演されても、自分の色を作品に残されている生瀬勝久さん。それから、濱田岳くんにも憧れますね。監督に信頼されるような、監督が一緒に仕事をしたいと思う俳優になりたいですね。

須賀健太(すがけんた)
1994年10月19日生まれ。東京都出身。99年に子役としてデビューし、2002年ドラマ「人にやさしく」で注目。その後、『ALWAYS 三丁目の夕日』3部作のほか、『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』『釣りキチ三平』などのヒット作・話題作に出演。現在バラエティ番組「ワオ」(フジテレビ系)に出演するほか、舞台「タンブリングFINAL」(6月7日上演)や映画『青鬼』(7月5日公開)など、多岐に渡って活動中。

『スイートプールサイド』
高校1年になっても、自分に毛が生えないことに疑問を抱く、太田年彦(須賀健太)は、同じ水泳部の毛深い女子・後藤綾子(刈谷友衣子)を、陰でうらやましいと感じていた。ある日、綾子に毛深いことを相談され、それ以来、二人だけの秘密の関係が始まることに……。
(C) 2014松竹株式会社
http://sweetpoolside.jp/
6月14日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2014.06.06(金)
文=くれい響
撮影=中井菜央