圧倒的な描写力で隅々までクリアに撮影されたイメージ

Palácio da bolsa no porto II, 2006 (C) candida höfer, köln; vg bild-kunst, bonn 2014

「カンディダ・ヘーファー 建築のイメージ」と題された今回の展覧会では、ヘーファー自身が選んだ大判のプリントを多数展示。パリのオペラ座やソルボンヌの図書館といった歴史的建造物からレム・コールハース設計のカーサ・ダ・ムジカ(ポルト)などの現代建築までの幅広いセレクションも魅力だ。圧倒的な描写力で隅々までクリアに撮影されたイメージからは、それぞれの場所で積み重ねられた時間の流れや人々の営みが強く伝わってくる。

Casa da musica porto I, 2006 (C) candida höfer, köln; vg bild-kunst, bonn 2014

 ちなみにヴェネチアでは現代建築の国際展である建築ビエンナーレが6月7日から開催される。写真や建築に興味のある人なら、ヴェネチアから近いヴィチェンツァまで足を運んでも損のない展覧会だ。

「カンディダ・ヘーファー 建築のイメージ」
会場 ビザッツァ財団(ヴィチェンツァ、イタリア)
会期 2014年5月9日~7月27日
URL http://www.fondazionebisazza.it/

鈴木布美子 (すずき ふみこ)
ジャーナリスト。80年代後半から映画批評、インタビューを数多く手掛ける。近年は主に現代アートや建築の分野で活動している。

Column

世界を旅するアート・インフォメーション

世界各地で開かれている美術展から、これぞ!というものを、ジャーナリストの鈴木布美子さんがチョイスして、毎回お届けします。
あなたはどれを観に行きますか?

2014.06.08(日)
文=鈴木布美子