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 昨年Netflixで配信されるや否や、韓国で社会現象を巻き起こした料理サバイバル番組「白と黒のスプーン~料理階級戦争~」。放送終了後も、韓国では番組に出演していた料理人の店はどこも予約が取れないほど人気を博していますが、日本にも番組に深く関係している聖地が存在! 「白黒料理人」ファンも訪れる話題のお店とは?


「白と黒のスプーン」で話題の料理人の焼肉チェーンが日本にも続々オープン!

 Netflixが韓国で制作したバラエティー番組としては初めて、3週連続でテレビ非英語部門の視聴数世界1位を獲得した料理サバイバル番組「白と黒のスプーン~料理階級戦争~」。20人の有名シェフ(白のスプーン)と、まだ無名の実力派料理人(黒のスプーン)80人が白熱した料理対決を繰り広げる全12話の作品で、わずか2人の栄誉ある審査員に選ばれたのが、韓国で知らない人はいない料理研究家ペク・ジョンウォン氏です。近年は日本でも、K-POPや韓国ドラマのファンを中心に知名度が急上昇し、“ペク先生”の愛称で親しまれています。

 ペク氏は、人気外食チェーン店を多数経営する実業家でもあり、日本でも店舗を拡大しつつある外食ブランドのひとつが「セマウル食堂」です。韓国と海外で100店舗以上を展開する豚肉専門の焼肉チェーン店で、日本には2012年に上陸。現在は、東京・愛知・大阪・京都・福岡に店舗があり、手頃な価格で焼肉をはじめとする韓国料理が味わえます。

 店名は、1970年代に韓国で盛り上がった「セマウル(新しい村づくり)運動」に由来。店内も70年代の韓国の食堂をイメージした、どこか懐かしさを感じる雰囲気で、韓国気分が味わえます。

 看板メニューは、薄くスライスした豚肉に甘辛い特製ソースを絡めて鉄板で焼く「熱炭(ヨルタン)プルコギ」。注文すると、お肉と一緒にスープやパジョリ(ネギサラダ)、サンチュやエゴマなどの野菜が運ばれてくるのも本場のスタイルです。

 熱炭プルコギは、薄切りの豚肉を手際よく焼き上げるのがポイントですが、セマウル食堂ではお店の人が各テーブルで焼いてくれるので安心。リーズナブルながら、高級店のようなサービスも人気の理由です。

 焼き始めてから7~8分で熱炭プルコギが完成! 香ばしく焼けたプルコギをサンチュやエゴマの葉に包んでいただきます。豚肉は脂身と赤身のバランスがいい腕肉を使用。薄切りなのでおつまみ感覚で食べられます。コチュジャン味のほか、甘めの醤油味もあるので、辛いのが苦手な人にもおすすめです。

 焼肉のオーダーは2人前からですが、1人前からオーダーできるメニューも充実。その中で、熱炭プルコギに次ぐ名物が「チルブンテジキムチチゲ」です。チルブンデジを日本語にすると「7分豚」で、キムチチゲがおいしく出来上がる煮込み時間の7分にちなんだもの。その名に違わず、タイマーできっちり時間を計って、厚切り豚肉と熟成キムチを煮込む徹底ぶり!

 セマウル食堂のキムチチゲは、ごはんと韓国海苔がセットになっていて、丼スタイルで味わうのが定番。まず、ごはんに韓国海苔をたっぷりのせて、その上からキムチチゲをかけるのですが、少し酸味の効いたクリーミーなキムチチゲと香ばしい韓国海苔の相性が抜群! 角切りの豚肉がゴロゴロ入っていて、お値段以上に満たされます。

2025.01.12(日)
文=田辺千菊(choki!)
写真=佐藤 亘