ロンドン一の規模を誇るバラ・マーケットへ
ロンドンで一番有名なマーケットといえば、バラ・マーケットだ。場所はサウスイースト地区、地下鉄のロンドンブリッジ駅から歩いて10分ほどのところにある。ここは、イギリスはもとよりヨーロッパじゅうから食品が集まる場所。オーガニックフードの市場としても、ロンドンで最大の規模を誇る。
市場全体がフルオープンするのは水~土曜日。土曜は地元の人と観光客で大混雑する。行列覚悟で週末にバラ・マーケットを訪れる人たちの目当ては、なんといっても屋台で食べる料理だろう。スイス料理のラクレットにフランスのハム、スペインのパエリアにトルコのケバブ……と、各国の名物料理が揃うのだ。屋台とはいえ、味は本格的。もちろん、レストランよりリーズナブルなので、あれもこれもと試したくなる。
マーケット内にはテイクアウトのグラスワインやビールを販売する専門店も入る。青空の下、ピクニック気分で料理とワインを楽しむのもいいし、マーケット内にあるパブに持ち込んで食べるのもいい。
屋台だけでなく、専門店もバラエティに富んでいる。蜂蜜、ジャム、オリーブオイル、ワイン、ビール、紅茶などたくさんのショップがあり、生産者と話しながら買い物をするのもここでの楽しみのひとつだ。
「イギリスの食はまずい」。そんなステレオタイプのイメージは、2つのマーケットを歩けば覆されるはず。各国からおいしいものが集まるロンドンの、食の豊かさを感じずにはいられない。
Borough Market(バラ・マーケット)
所在地 8 Southwalk St., SE1
URL http://www.boroughmarket.org.uk/
開催日 10:00~17:00(水・木曜日)、10:00~18:00(金曜日)、8:00~17:00(土曜日)
【取材協力】
英国政府観光庁 http://www.visitbritain.com/ja/JP/
Britain Park(英国観光最新情報ブログ) http://ameblo.jp/britain-park/
芹澤和美 (せりざわ かずみ)
アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.serizawa.cn
Column
ロンドン&スコットランド 美味と伝統を探る旅
イギリスの食は貧しい。――そんな偏見は、今すぐ捨てていただきたい。ロンドンでは2大マーケットをめぐって世界から集った美食を堪能、スコットランドからはこだわりのチーズ工房やスコッチウイスキーの蒸留所をご紹介。大英帝国の食文化は、本当はとても奥が深かった!
2014.04.29(火)
文・撮影=芹澤和美