ハシゴして食べたい! ブリクストン・ビレッジ

 ロンドンの南にあるブリクストン地区は、今もっとも注目されているエリア。そして、「食」がもっとも熱いエリアだ。

 かつては治安の悪い場所として知られていた(恐れられていた)ブリクストンが様変わりするきっかけとなったのは、2009年にスタートした行政による再開発。1930年代築のさびれたアーケードを改装し、低家賃でスペースを貸し出したことから、起業家志向の若い世代がこぞってカフェやレストランを開業。個性的で洒落た店がひしめくエリアに大変貌を遂げた。

各国の旗がはためくアーケードの中では各国の料理を楽しめる。

 その変貌ぶりを象徴するのが、ブリクストン・マーケット。マーケットはいくつかのパートに分かれているが、なかでも人気を集めているのが、食堂街のブリクストン・ビレッジだ。アトランティック・ロード沿いにある入口から入ってみると、そこはまるで迷路の中に各種レストランがひしめく、食のワンダーランド。

アーケードは地下鉄ブリクストン駅から徒歩5分。屋根付きアーケードの中には、八百屋や肉屋、魚屋なども並ぶ。

 アーケードの中には、南米にアフリカン、インド、アジア、ヌードルショップ、フレンチカフェ、日本のお好み焼き屋……と、あらゆる食の店が軒を連ねている。店はどこも洒落た雰囲気なのだが、価格は手頃。さらに、屋根付きで雨も気にならないとあって、週末ともなればテラス席はあっという間に満席になってしまう。観光客向けの料理に飽きてしまったときにも、ここならチョイスは豊富だ。

店内で食べてもよし、軒先で売っているメニューをテイクアウトして食べ歩きもよし。

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2014.04.29(火)
文・撮影=芹澤和美