パリッとした芳ばしい皮の秘密は……
ここの最中のおいしさは、皮の香ばしさとパリパリした食感にもあります。大阪でも数少なくなった最中の皮を作る業者が焼いてすぐ納品するから、香ばしさが違います。山本さんは、餡を小さな容器に詰め、その皮を別売り。持ち帰ったら、自分で皮に餡をのせてはさんで食べるスタイルです。それは、お茶請けというよりは、まさにおやつ。
「小さな子供さんを連れたママが自転車で買いに来られます。お店で作って、できたての最中を子供さんがパクッとほおばって、おいしいと言ってもらえるのもうれしいですね」と山本さん。「でも、うちの最中は日本酒にも合いますよ」とにっこり。
右:新商品の「ほうじ茶寒天」 310円。
次に創作したいものをたずねてみると、「和菓子の伝統ある桃山(こんがりした焼き色のお菓子)や卵黄を加えて作る黄身餡を使って、何か作りたい。そのおいしさを皆に知ってほしいんです」。
ちょっとつまめるおやつとして、いちじくのチョコがけや、きなこをまぶしたくるみなどもリーズナブルな値段で販売。わざわざ買いに行きたくなる、下町の愛される最中屋さんです。
『一吉』
所在地 大阪府大阪市中央区谷町8-2-6 幸福相互ビル101
電話番号 06-6762-2553
URL http://www.hitoyoshi-monaka.jp/
Column
そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行
生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。
2014.04.27(日)
文・撮影=そおだよおこ