スター御用達、癒しのタラソ・スパ、お城のような空間……

 1926年に建造された英国ノルマン・スタイルの「ホテル・バリエール・エルミタージュ・ラ・ボール」は直接ビーチに出られるロケーション。屋内&屋外プールやスパ、海辺のレストランなど、あらゆる魅力がバランスよく揃った5つ星です。

 開業以来、歌手のエディット・ピアフや映画監督のサシャ・ギトリ、俳優のモーリス・シュヴァリエなど、往年のスターに愛されてきました。

 「ホテル・バリエール・ル・ロイヤル・ラ・ボール」は2フロアにまたがる広大なタラソ・スパが特徴。フェイシャルやボディトリートメントのみならず、クラゲの水槽を見ながらのソフロロジーやフローティングプール、クリニークのメディカルスパまでも備えた、まさに癒しの殿堂です。

 美食で知られるルレ・エ・シャトーのメンバーでもある「ホテル・ル・カステル・マリー₌ルイーズ」は松の木々に包まれた、瀟洒なお城風。1970年代に世界を席巻したインテリア・デザイナーのジャック・ガルシアによるリノベーションに時代を超えたエレガンスを感じます。背筋がすっと伸びるような、おごそかな雰囲気です。

 こうした高級ホテルのリゾートステイにカジノ、本格的なゴルフコース、タラソ・スパ、乗馬クラブ、サイクリングなど、あらゆるアクティビティが、ここラ・ボールではまとめて楽しめるというわけです。このマスタープラン、100年前には実に画期的なこと!

 ラ・ボールで過ごしながら、「どこかで似た気分を味わったなぁ」と記憶をたどってみたところ、サンディエゴのホテル・デル・コロナドに思い当たりました。

 ホテル・デル・コロナドも1888年、鉄道が開業したことにより誕生した、あらゆるアクティビティを備えた統合型リゾート。クラシカルな佇まいの中に、当時の華やぎの余韻を感じるセレブ御用達のヒストリカルホテルです。

 日本ではカジノを中心とした統合型リゾートが2030年をめどにスタートするもよう。今は、新しいリゾートスタイルが始まる、いわば夜明け前。そう思うと、ラ・ボールが歩んできた歴史とどうも重なる気がしてくるのです。

ラ・ボール

●アクセス パリのモンパルナス駅から電車で約3時間。またはナントから電車で約1時間。
●おすすめステイ先 ホテル・バリエール・エルミタージュ・ラ・ボール
https://www.hotelsbarriere.com/en/la-baule/l-hermitage/

取材協力
ナント観光局 https://www.levoyageanantes.fr/
ラ・ボール/ゲランド半島観光局 https://en.labaule-guerande.com
フランス観光開発機構 https://www.france.fr/ja/
エールフランス航空 https://wwws.airfrance.co.jp/

古関千恵子(こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●Instagram https://www.instagram.com/chieko_koseki/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2024.11.30(土)
文・撮影=古関千恵子