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◆亀戸升本「香取」

江戸の味を受け継ぐ和弁当

 明治38年に創業し、東京の下町・亀戸に本店を構える割烹料理店、亀戸升本。

 定番割烹弁当シリーズは、素朴な江戸の食に倣い、原材料の時点から保存料を使わず、職人が一からつくっている。

 今回紹介する「香取」も定番割烹弁当のひとつで、職人が丁寧に仕上げたもの。

 具沢山な十五目寿司は、どこを食べても味や食感が異なり、中でも「大根たまり漬」は、有機醬油と紹興酒を使用した秘伝のタレにじっくり漬け込んだイチオシの味。

 10~4月には亀戸近郊で栽培される亀戸大根が使われているそうだ。

 このほか、甘めに仕上げた玉子焼き、魚の旨みを引き出した鰈香味焼、ショウガの効いたあさり大仙のほか、亀戸揚げ、中華クラゲや鶏つくね、野菜煮物と計7品が詰められている。

 やさしい味わいをそのまま楽しむのはもちろん、米麹と青唐辛子と有機醤油を長期熟成させた、付属の亀戸升本秘伝の辛味「亀辛麹ーかめからこうじー」を玉子焼きやつくねに付けても美味。

2024.09.15(日)
文=Five Star Corporation
撮影=釜谷洋史