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「こんな俳優になりたい」という目標は?

――仲野さんの出演作は舞台も映像も面白いものばかりで、セレクトが素晴らしいなといつも思うのですが、脚本を読んでから決めていらっしゃるのですか?

 そう言っていただけるのはとても嬉しいです。僕にとって大事なのはどなたとご一緒するかなんですよね。映画もドラマも演劇も、僕自身が観ることも大好きなので、素敵だなと思う作家さんや演出家さんとお仕事させていただくことがモチベーションになっていますね。

――映画『笑いのカイブツ』や『熱のあとに』も観た後にガツンとくる力強い作品でした。きっと「太賀くんが出るから観てみよう」と思われた方も多いと思います。仲野さんはカルチャーの全体の底上げに貢献されているように感じます。

 めちゃくちゃ嬉しいです! 各部署のなかで、俳優部は、映画、演劇、ドラマを横断できる役割なので、「自分が出ているから観たい」と思ってもらえるような俳優になりたいと昔から思っていました。そうして、一人でも多くの方に面白い作品に出会ってもらえたらと思います。

――そして、2026年にはNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主演を務められるとのこと、おめでとうございます!

 ありがとうございます!

――これからますます大作のオファーが殺到すると思うのですが、今後も面白いと思えば、小さな作品にも出演されますか?

 もちろんです! そもそも、作品の大きさを気にするタイプではないです。話題作だから、有名な方が出演されるからということで心動かされることもあまりありません。観る側としても、作品の大小に関係なく面白いものを観たいと思っていますし、面白い作品に出たいですね。

――大河ドラマの主演には、演技力だけでなく、1年半近くチームの中心として、「この人のためなら頑張れる」と思われるような人が選ばれるように思います。プレッシャーは感じませんか?

 プレッシャーを感じようとすれば、いくらでも感じるポイントはあります(笑)。ただ、プレッシャーを感じたところで何も良いことはないと思っていて……。だから、あまりそこに焦点を合わせないようにしていますし、こんなことを言っていいのかわからないですけど、「なんとかなるだろう」とどこかで思っているところがあります。

2024.08.24(土)
文=黒瀬朋子
撮影=榎本麻美
ヘアメイク=高橋将氣
スタイリスト=石井 大