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 今年はNHK連続テレビ小説『虎に翼』で主人公の寅子の最初の夫・優三を演じ、世の中に優三ロスを引き起こした仲野太賀さん。現在、宮藤官九郎さん脚本のドラマ『新宿野戦病院』に出演中。

 小さい頃から多くのドラマや映画を観てきた仲野さんは、面白い作品を見抜く嗅覚も鋭い。俳優業について、2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主演についての思いも語ってくれた。


毎日笑いを堪えるのに必死!

――ドラマ『新宿野戦病院』は予想外の展開が広がり、毎週楽しみに拝見しています。現在(取材時)、撮影真っ最中だそうですが、現場はいかがですか?

 ありがとうございます。宮藤官九郎さんの脚本で、素晴らしいキャストの方々と共演できて、撮影は楽しいです。お芝居の上手な方ばかりなので、毎日笑いを堪えるのに必死です(笑)。

――仲野さんが出演された宮藤さんのドラマ『ゆとりですがなにか』もそうでしたが、DVや育児放棄、移民や格差の問題など、さまざまな社会的なテーマが盛り込まれていますね。

 社会問題をドラマに落とし込むのはセンシティブでもありますし、大変なことだと思います。ユーモアをたくさん交えながら、医療エンターテインメントにするなんて、宮藤さんにしかできないことなんじゃないかなと尊敬します。

 世の中にある物語の大半は、そういう問題は「ないもの」として描かれていると思いますが、宮藤さんは「あるもの」として描いていらして、それは誠実な姿勢なのではないかなと思います。毎回脚本をいただくと、宮藤さんの覚悟や気迫のようなものを感じて、感動しながら読んでいました。

――NHK連続テレビ小説『虎に翼』の優三さん役も素敵でした。反響も大きかったのではないでしょうか。

 はい。ありがたかったです。本当に素敵なドラマなので、関われてよかったなと思います。

2024.08.24(土)
文=黒瀬朋子
撮影=榎本麻美
ヘアメイク=高橋将氣
スタイリスト=石井 大