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 言わずと知れた演技派俳優・仲野太賀さん。映画やドラマに引っ張りだこだが、1~2年に1回のペースで舞台にも出演。それも、演劇界で厳しいことで有名な岩松了さんの作品にこれまで5回も出演してきている。10月には6作目の岩松作品『峠の我が家』で初めて主演することになった。恩人と呼ぶ岩松作品の魅力について語ってもらった。


「自分は間違っていなかったのかな」とホッとした

――仲野さんは、13歳で俳優デビューされて、映像に魅力を感じていらっしゃったのが、岩松さんに出会われてから、舞台にも積極的に出演されるようになったそうですね。

 僕がまだ何もできなかった10代の頃、岩松さんのワークショップに参加させていただき、オーディションで拾っていただいたのが『国民傘-避けえぬ戦争をめぐる3つの物語-』(2011年)でした。以来、自分のなかの視野が広がりました。

――今回、6度目のオファーを受けて、どう思われました?

 嬉しかったです。岩松さんにもプロデューサーのM&Oplaysの大矢亜由美さんにも、『国民傘』から、たびたびお世話になっていますが、その状況に甘えていては絶対にいけないと思っています。ですから、新しい作品に呼んでいただくたびに、「一生懸命頑張ってきてよかった」「自分は間違っていなかったのかな」と心からホッとするところがあります。30代になり、成長した姿をお見せしたいと思いますし、主演をやらせていただくというのも感慨深いです。今回は二階堂ふみちゃんとご一緒できるというのもなんというか胸がいっぱいになりましたね。

2024.08.24(土)
文=黒瀬朋子
撮影=榎本麻美
ヘアメイク=高橋将氣
スタイリスト=石井 大