●責任を持って、役を演じる役者になりたい
――本作では、どんな新しい森さんが見られると思いますか?
光太郎という役に関しては、これまで以上に、普通にそこにいそうな人間だと思うんです。だから、特に何かを持ち込んで演じたわけではないので、岩谷さんと楽しんでやっている掛け合いだったり、オフビートなコメディ要素をクスクス笑いながら観てほしいですね。
――今後の希望や展望、そして憧れている役者について教えてください。
お客さんとのティーチイン(討論会)付き『ミッシング』上映会に参加したときに、自分が思っていた以上に、みなさん作品に対して熱い思いを持たれていたり、自身の日常や経験を重ねて観られていることに気付いたんです。自分はそこまで考えて、誠実にその役を演じているか? と言われると、そうでもないような気がして……。
だから、今後はその部分を強く意識しつつ、責任を持って役を演じる役者になりたいです。そして、いろんな人のいろんな人生を演じることによって、人として大きくなっていきたいです。
好きな役者さんは、佇まいを含めて、『ダンケルク』などに出演しているバリー・コーガン。日本だと、岸部一徳さんや荒川良々さんも好きです。
森優作(もり・ゆうさく)
1989年12月4日生まれ。大阪府出身。13年、「『また、必ず会おう』と誰もが言った」で俳優デビュー。15年に公開された塚本晋也監督作『野火』では、第30回高崎映画祭の最優秀新人男優賞を受賞。主な出演作に、『佐々木、イン、マイマイン』(20年)、『花束みたいな恋をした』(21年)、『騙し絵の牙』(21年)、『ゾッキ』(21年)などがある。
映画『輝け星くず』
お人よしの光太郎(森優作)の恋人・かや乃(山﨑果倫)が、薬物に手を出して逮捕された。呆然とする光太郎だったが、かや乃の父・慎一(岩谷健司)から呼び出され、彼女が勾留されている四国まで連れて行ってほしいと頼まれる。そして、森優作は、初対面で自称パニック障害の慎一と旅に出る。
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2024年6月15日(土)よりK’sシネマほか全国順次公開
Column
厳選「いい男」大図鑑
映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。
2024.06.21(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘