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放棄された畑でのびのびと育つ「お茶」に注目

◆【京都府】few「フラワーエッセンシャルローション」

 「few」は、宇治茶の名産地・南山城村(みなみやましろむら)で生まれたブランド。

 南山城村は京都府唯一の村で、辺り一面に茶畑が広がる豊かな環境です。しかし、後継者不足から放棄される茶畑が増加する一方。

 長年環境監視の仕事に携わってきた代表の西村庄司さんは、2018年から南山城村にて無農薬稲作の実証実験を行う中で、放棄された茶畑の様子と、人の手が入っていないにもかかわらず力強く育つチャノキを見て、「放棄されている=無農薬であり、花や実を活用することができるのではないか」と放棄茶畑再生事業をスタートさせました。

 第一弾となる「フラワーエッセンシャルローション」のパッケージにデザインされているのは、愛らしいお茶の花。

 主成分は、大人の親指ほどのサイズの花や実を一つひとつ手で摘み、独自の技術で茶葉や花、実から抽出したエキス「植物水」。

 ビタミンCやカテキン(ポリフェノール)などを含むとして知られる緑茶ですが、花や実にも高い保湿効果が期待できるオレイン酸やビタミンEなどの美容成分が豊富に含まれています。その植物水が主成分であるローションは、敏感肌や乾燥肌の人にも優しい使い心地です。

 few(フュー)というブランド名が、香りを意味する「皀(ひゅう)」という言葉に由来するように、つけるたびにネロリに似たお茶の花の香りに包まれます。

「これまで見向きもされなかったお茶の花や実を活用することで、荒れた茶畑が整備され、景観も良くなり、害獣の住処もなくなります。皆様にお届けした商品が愛されるほど、日本の荒廃した茶畑の景観が復活していきます。近日中に、茶花・茶実を使った『エッセンシャルトリートメントクリーム』と『ナチュラルプロテクトバーム』を発売予定です」(エコ・クリエ 西村さん)

エコ・クリエ

電話番号 090-3652-3877
https://few.kyoto/

2024.04.19(金)
文=河西みのり
撮影=釜谷洋史