クリエイターが愛した部屋、クリエイションが生まれたホテル。特別なアドレスでは、歴史を紐解いたり、アートの域の調度品を崇めたり。パリならではの創造の館に滞在すると、イマジネーションが無限に広がる。
今、泊まりたい“物語”のある素敵ホテルを5回に渡りご紹介。
15室の部屋に秘めた宝石や時計への思い
◆1, Place Vendôme(アン・プラス・ヴァンドーム)
[2023年冬オープン]
![“ジェイド(翡翠)”と名付けられたプレステージ・ルーム(405号室)は、シノワズリーな内装。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/2/1280wm/img_c27308a81a8def7255148b66b41cb02d374548.jpg)
パリで最も格調高いアドレスをホテルに名付けたのは、スイスのショイフレ・ファミリー。高級時計・宝飾品メゾン「ショパール」オーナーとして知られる家系だ。
このホテルには同家の歴史へのリスペクトと芸術への愛、質へのこだわり、そして彼らのホスピタリティの世界観が体現されている。
![プルミエ・スイート“エメラルド(504号室)”。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/6/1280wm/img_b64b1bff54ec44cac370bde67b433f09131563.jpg)
18世紀建造の邸宅の大改装を手がけたのは、クラシック建築と内装の第一人者ピエール=イヴ・ロション氏。
![外観。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/4/1280wm/img_746ea31f582d431f54342a55e06513ac318408.jpg)
青い扉を開くと、18世紀の石造り暖炉とジャン=ミシェル・オトニエル氏による巨大なムラーノガラスのネックレスが向かい合い、過去の遺産と現代の創造性が対話する。
![ライブラリーは壁のウッドパネルに合わせてキャラメル色。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/2/1280wm/img_92642a4832a4b4e6358ad98fd945c03d177674.jpg)
上階には、ライブラリー兼サロン。奥にはラウンジがあり、古書棚に見せかけた秘密のドアを開けるとシガーバーが姿を表す。
![ベランダにはショパールのコレクション“アニマルワールド”にちなんだモザイクが。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/3/1280wm/img_53db7bd0eb6d398d7e80fd7a61c7a745380173.jpg)
天窓から差し込む光が色ガラスのモザイクを照らし出すベランダも美しい。部屋はクラシックからコンテンポラリーまでわずか15室ながら多彩で、宮殿かと見まごう豪華な“アパルトマン”もある。
![ショパールのクリエイティブディレクター、キャロリーヌ・ショイフレ氏の趣味が横溢するプルミエスイート“パライバ(404号室)”。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/4/1280wm/img_e432516729bebef61e9c38d75ec8999f175203.jpg)
ホテルの名に敢えて「ショパール」と冠していないが、そこかしこにメゾンの歴史やクリエイションとの関連性を見つけることができるだろう。
![ブルーのカーテンが部屋の名を象徴するプレステージ・ルーム“アクアマリン(305号室)”。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/a/1280wm/img_1a52d070b06c7e545f7526f04e2a325b270444.jpg)
1, Place Vendôme(アン・プラス・ヴァンドーム)
所在地 1 place Vendôme 75001 Paris
電話番号 01 55 04 55 00
客室数 15室
料金(1室) 1,300ユーロ~
https://www.1-placevendome.com/fr/
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
Column
CREA Traveller
文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。
2024.02.01(木)
文=乗松美奈子
撮影=橋本 篤
編集=矢野詔次郎
CREA Traveller 2024 vol.1
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。