クリエイターが愛した部屋、クリエイションが生まれたホテル。特別なアドレスでは、歴史を紐解いたり、アートの域の調度品を崇めたり。パリならではの創造の館に滞在すると、イマジネーションが無限に広がる。
今、泊まりたい“物語”のある素敵ホテルを5回に渡りご紹介。
パームツリーが茂る中庭で憩えるパリ唯一のホテル
◆Hôtel L’Eldorado Paris(オテル・レルドラド・パリ)
[2023年夏オープン]
4ツ星のオテル・レルドラド・パリは、バティニョール地区の住宅街にある。オーナーは、数年前に同じく庶民的な10区にオープンしたプチホテル「Hôtel Providence」で好評を得たフランス人トリオ。
田舎にある作家の邸宅をイメージしたレトロな空間は、まるで映画セットのようで、ウェス・アンダーソンの映画『グランド・ブダペスト・ホテル』を彷彿とさせる。
調度品は、籐の家具からテーブルウエアまで、一部の60年代ヴィンテージ家具を除いてほぼオリジナル。
花や蝶、小鳥を描いたヴィクトリア調の壁紙や生地はロンドンの人気店「ハウス・オブ・ハックニー」で選ばれた。
中庭には、紫陽花や椿、薔薇などが生い茂り、パリでは珍しくパームツリーもそびえ立つ。暖かな季節はもちろん、冬でもレストランの一部としてオープン。
中庭の向こうには、4つの客室を備え、貸し切りイベントやディナーにも最適なパヴィリオンが。
また、近所に住むモデルで作家・音楽プロデューサーのカロリーヌ・ドゥ・メグレ氏の協力により編集された、オリジナルミニガイドブックもこのホテルの自慢だ。
Hôtel L’Eldorado Paris(オテル・レルドラド・パリ)
所在地 18 rue des Dames 75017 Paris
電話番号 01 45 22 35 21
部屋数 26室
料金(1室)275ユーロ~
https://hoteleldoradoparis.com/
Column
CREA Traveller
文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。
2024.02.05(月)
文=乗松美奈子
撮影=橋本 篤
編集=矢野詔次郎