この記事の連載
器のセレクトは“ご縁と人柄”で「その方から自然と花が咲いたような作品を」
店内では多くの器が並びますが、そのほとんどは佐渡さんが自身のアーティスト活動を通じて知り合った作家さんの作品だそう。
「セレクトするうえで大切にしているのは、ご縁と人柄です。作家さんから自然と花が咲くような、自然と立ち上がってきたような作品に魅力を感じることが多くて。世の中に無理して合わせるのではなく、その方の歩幅を感じることができる。そんな作品をお預かりさせて頂いています」(佐渡さん)
カフェではおにぎり、珈琲、焼き菓子が楽しめますが、それにしてもやや異色のレパートリー。その理由を佐渡さんはこう語ります。
「ずっと工藝をやってきているので、食に関しても何も特別なものである必要はなく、日常に寄り添うような身近なものがいいと思ったんです。僕は珈琲を淹れて、ずっと食にまつわる仕事をしてきた妻には、おむすびと焼き菓子を作ってもらっています」
おむすびは茅野の農家さんから仕入れたミルキークイーンの米を。一昨年から始めたという自分たちの田んぼで収穫した米も、少量ながら使用しているそう。味噌汁の味噌は富士見町で、具材も地元の旬な食材を取り入れるなど、地のものにこだわって作られています。
この日いただいたのは、珈琲とレモネード。それからしっとりした食感とほどよい甘さがクセになりそうなイチゴマフィンは、二人でシェア。シンプルでいて洗練された器も、美味しいメニューを魅力的に引き立ててくれます。
旅の終わりを告げるように次第に窓の外が暗くなり、店内はよりいっそう叙情的なムードに。あともう少しだけ、今日の旅の思い出を振り返ったら帰ります。
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所在地 長野県諏訪郡富士見町富士見4654-73
佐竹 彩(さたけ・あや)
1989年生まれ。アパレルセレクトショップのプレスを経て、2年前に独立。趣味は登山と着物。アウトドアブランドのPRを手がけるほか、自身で着物のレンタルと和装記念撮影のサービスを鎌倉にて手がける。
平野美紀子(ひらの・みきこ)
ライター。1987年生まれ。バスケ観戦、登山、スノーボードが生きがい。2023年夏には念願の山小屋バイトも経験。
焚火遊道
焚き火マイスター/日本焚き火協会会長
猪野正哉さん
メンズノンノモデル出身。モデルやライター、千葉市でアウトドアスペース「たき火ヴィレッジ〈いの〉」を運営するなどマルチに活躍。焚き火を中心としたアウトドアアクティビティを通して、自然の魅力を伝えるために奔走中。著書『焚き火の本』、『焚き火と道具』。
ファッションディレクター/プロモーションプランナー
田中行太さん
ブランドプレスやセールス、セレクトショップのキュレーターやバイヤーを歴任。現在は、ブランドやショップの販売戦略から企画、WEBデザイン、生産管理まで、多くのブランド・ショップのディレクション業を担う。Tシャツブランド「WHO’sMAKING...」主宰。
クレジット
<佐竹>
ニット:グローブフィットハイネック 22,000円、他本人私物
<平野>
ベスト 33,000円/ピークパフォーマンス(ピークパフォーマンスコールセンター)、トップス 8,800円/ヒアネス(ヒアネスカスタマーサポート)、カットソー 4,950円、ビーニー 2,750円、ソックス 1,760円(3足セット価格)/フルーツオブザルーム(ギャレット)、スカート 14,300円/ワイルドシングス、サコッシュ 3,850円/グラミチ(全てインス)、サングラス 18,700円/スウィートプロテクション(スプートニク)、シューズ 19,800円/ブルックス(アキレスお客様相談室)
<問い合わせ先>
アキレスお客様相談室 0120-894-192
阿部商会 0800-100-4182
インス 0120-900-736
ギャレット 03-6845-7770
スプートニク 03-6380-9200
ピークパフォーマンスコールセンター 03-6825-2131
ヒアネスカスタマーサポート 0120-560-799
プジョーコール 0120-840-240
Column
心と体を解放するトレッキング旅
幅広い知見を生かしてアウトドアカルチャーを提案するレーベル「焚火遊道」の猪野正哉さん、田中行太さんがさまざまな旅の楽しみ方をコーディネート。自然もグルメも街歩きも、ワガママに味わい尽くすトレッキング旅のススメ。
2023.12.27(水)
文=平野美紀子
撮影=深野未季
スタイリスト=永田哲也