年齢を重ねたからこそ楽しみたいアクセサリー。シルバーや天然素材のボリュームのあるアイテムをサラリとつけこなしている石村さんも、アクセサリーの効果に開眼したのは最近になってからだとか。ビギナーでも自分らしく身に着けられるコツを伺いました。

気持ちが安心する、お守りがわりになるものを選ぶ

「ヨーガンレール」の貝殻のペンダントは、夏の定番。長谷川まみさん作・銀製のペンダント。大ぶりアクセサリーは上半身に重心がくるので、私のような小柄な人がロング丈の服を着るときなど意外とバランスが取りやすい

 私のおしゃれ心得の1番目は、「清潔こざっぱり」。ずっと飲食の仕事をしてきましたから、爪はいつも短く切りそろえてマニキュアも香水もつけません。アクセサリーにもそれほど関心がなかったのですよ、若い頃までは。それが歳を重ねると、だんだん素のままの装いに少しもの足りなさを感じるようになってきたのです。

 そんなとき目を奪われたのが、友人で金工作家の長谷川まみさんのアクセサリーづかい。モノトーンの服に自作の銀の細リングのブレスレットをたっぷり5つ6つ重ねてつけた、その引き算の効いたスタイルに「大人やわっ!」と感服。仲良しのずうずうしさで、そのとき彼女が身につけていたリングを2つゆずってもらい身につけてみたら、手もとがなんだか女らしく感じられて心がウキウキするのです。

 ブレスの次に試みたのは、これも長谷川まみさんの作品で水滴のかたちをした銀の大きなペンダント。存在感のある小物ですからハードルが高そうに思えたのですが、案外シルバーの質感はどんな服にでもしっくり溶け込むので重宝します。今ではこれをつけていると「由起子さんらしいね」と言われるほど。アクセサリービギナーは着飾ろうと気負わず、身につけて気持ちが安心する、お守りがわりになるものを選ぶとすんなり取り入れやすいんじゃないかしら。

 つけ慣れて、最近は銀細工に加えてビーズや貝殻、布や革ものなど天然素材でクラフト感のあるものが好きになっています。ブレスレットとペンダント、ブローチと指輪、と、胸もと手もとに組み合わせて。クラッシックな服には、遊び心のあるもの。カジュアルな服には、エレガントさをプラス。顔の近くにおけば顔まわりを明るく華やかに魅せてくれる効果があるなあと、新鮮な発見があれこれ。コーディネートにアクセントをつけて私らしさを特徴づける、アクセサリーはなくてはならない大切なアイテムになっています。

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2014.01.20(月)
text:Reiko Oishi