次に大切なのは、シチュエーションに気をつかうこと

私のファーストアクセサリー、銀の2連ブレスも長谷川まみさん作。海外の作家ものの革製のブレスは、音NGのときに身につけます

 服と同じく、おしゃれ心得の2番目にくるのは「シュチエーションに気をつかうこと」。

 たとえば器作家さんの個展を見に行くときなど、アクセサリーが作品にあたって傷つけてはいけませんから、時計や指輪などの類ははずしておきましょう。

 それから音。金属製のものはシャランシャランと音色が清々しくて癒されるけれど、映画館や劇場などパブリックな場ではNGです。じつは以前お気に入りの銀のブレスをしていて、年上のとても尊敬している女性に「人と逢って話をするときは、音のするアクセサリーをしないものよ」と、そっとご注意頂いたことがあるのです。恥ずかしさから学んだことは、身にしみて忘れません。

「無印良品」の透明ボックスに収めて。大ぶりのアクセサリーは外に並べおくなど、ギャラリー展示をお手本に。高価な宝石はないけれど、キレイなものをちょっとずつ集めた宝もの箱です

石村由起子 (いしむら ゆきこ)
奈良在住。全国からファンが訪れるカフェギャラリー『くるみの木』と、ミシュラン一つ星のホテルレストラン『秋篠の森 「なず菜」』のオーナー。
暮らしを楽しむ祖母の知恵にくるまれて育ち、学生時代には染織を学び、民藝を入口に手仕事に精通。自らのショップで展開する、暮らしの道具のセレクト眼にもファンが多い。さらに近年は、生活プロデュースの視点での商品開発、街おこしプロジェクトなど幅広い分野からオファーが引きもきらない。著書に『私は夢中で夢をみた』(文藝春秋)、『奈良・秋篠の森「なず菜」のおいしい暮らしとレシピ』(集英社)など多数。HP 「くるみの木」 http://www.kuruminoki.co.jp

Column

石村由起子の暮らしの“ツカミドコロ”

石村由起子さんといえば、人気のクラフト作家や料理家、エッセイストなど生活美学のある人たちが一目おく、暮らし上手です。
祖母から受け継いだ知恵と礼節、愛するモノを捨てずに活かすワザ、「これだけは」と手をかけてきた習慣など、多忙な日々のなかでも心豊かに暮らすために石村さんが「大切にしてきた」視点とアイディアを、CREA WEB読者に指南。年齢をこえて共感できるチャーミングな暮らし術を、プライベートフォトを添えて綴ります。

2014.01.20(月)
text:Reiko Oishi