台湾の饒河街夜市での鳥卦(神鳥占い)が“当たる!”と評判の悟明老師。実はあらゆる占術に精通していて、台湾ではメジャーな紫微斗数での鑑定も行っています。

 そこで、日本の読者のために、毎月の世相を紫微斗数で読み解いてもらうことに。ここでは大局をみる際に使われる「天下第一盤」で占います。


【2023年10月】悟明老師が占う「世界の動き」

【2023年10月】悟明老師が占う「世界の動き」。
【2023年10月】悟明老師が占う「世界の動き」。

 今月の運勢を象徴するのは“辛”。五行では金に属し、柔らかい金=貨幣を意味しています。また、文書や契約を象徴する文昌星と文曲星が今月の鍵となる星であることから、価値の高い貨幣に注目が集まるように思います。現実に鑑みると、米ドルへの世界的な信用がさらに高まり、日本円は求心力を失う。そして、その貨幣の強さは国の勢いにリンクする……そんなひと月となりそうです。

 今月の鍵となる星は、巨門星、太陽星、文曲星、文昌星の4つです。では、各国の運気を見ていきましょう。

 南アメリカ=紫微・天府星には、2つの凶星・陀羅と白虎。これは大きな交通事故が起こりやすい暗示です。この地を訪れる予定がある人は、十分に注意をしてください。経済的には、銀河線でつながる七殺星の天鉞、三方四正でつながる武曲星の影響を受け、不動産と黄金に勝機があるとき。投資のチャンスはここにあり。金融業も好調でしょう。

 アメリカ=太陰星には、吉星の禄存が入ってきます。業種を問わず、収入アップが見込める星回りといえるでしょう。その一方、凶星の天哭があること、銀河線でつながる文昌星の化忌、天同星の捲舌の影響を受けるため、政治的舌戦のほか、ハリケーンや水害などの天災に見舞われやすく、社会情勢としては落ち着きがないひと月となりそうです。

 カナダ=貪狼星には、2つの凶星・羊刃と破碎が入ってきます。羊刃は殺傷力のある鋭利な物を象徴、破碎は物と物がぶつかって壊れる様子を示唆すること、また銀河線でつながる武曲星の死符の影響を受けることから、交通事故をはじめとした“衝突”によって多くの死傷者が出る事態が考えられます。ただ、三方四正でつながる破軍星の天魁、七殺星の天鉞によって災いが抑制される星回りでもあるので、大事には至らないものと見ています。経済面では、ファッション、デザイン、ハイテク業界に商機があるでしょう。

 ロシア=巨門星は、今月の鍵となる星のひとつで、吉星の化禄を伴うほか、同じく鍵となる文曲星も吉星の化科を伴って入ってくるという好運期。凶星の五鬼もありますが、影響はほとんどないでしょう。また、銀河線でつながる各宮からの好影響もあり、物事を思い通りに進めやすいとき。それが横暴という形で発揮されないことを祈るばかりです。

 ウクライナ・ベラルーシ=廉貞・天相星には、吉星の解神が入ってきます。さらには銀河線でつながる太陽星の化権からの好影響もあり、運気は上々。解神の力で、ネックとなっている問題が克服できるかもしれません。ただ、ロシア=巨門星の運気も非常に良いことから、侵攻の問題が終結するには至らず、戦いはまだまだ続くものの、今月は比較的被害が少ない、落ち着いた状況となるものと予測されます。

 ヨーロッパ&中東=天機星には、天からのご加護を意味する吉星・天徳が入ってきます。加えて、三方四正でつながる巨門星にある化禄、文曲星の化科の影響を受け、経済面での大きな躍進が見込めるとき。とりわけ、旅行&観光業、ファッションデザインの分野には多くのチャンスがもたらされるでしょう。

 インド&アフリカ=破軍星には、吉星の天魁が入ってくるほか、三方四正でつながる七殺星にある天鉞があることから、なかなかの好運期となりそうです。特に金、金融、観光業には好ましい変化が見込めるでしょう。一方、この宮に陰煞があるほか、複数の凶星の影響を受けるため、新型コロナの変異種の出現といった心配が少々。また、9月にはモロッコには地震、リビアには洪水が起きましたが、今月は二次災害的な被害が心配される星回りです。

2023.09.30(土)
文=堀 由美子