台湾の饒河街夜市での鳥卦(神鳥占い)が“当たる!” と評判の悟明老師。実はあらゆる占術に精通していて、台湾ではメジャーな紫微斗数での鑑定も行っています。

 そこで、日本の読者のために、毎月の世相を紫微斗数で読み解いてもらうことに。ここでは大局をみる際に使われる「天下第一盤」で占います。


【2023年7月】悟明老師が占う「世界の動き」

 今月の鍵となる星は、貪狼星、太陰星、右弼星、天機星です。世界各国の経済活動については、星の後押しもあり、引き続き好調となるでしょう。貪狼星の好影響を受け、全世界的に、観光&ホテル、ハイテク、エンタメ業は有望です。

 国家対国家の舌戦はヒートアップする一方で、民主主義国家と社会主義国家の対立は顕著になる模様。それはまるで、軍靴の音のようでもあります。星回り的にみると、旧暦の2024年を示す十干が“甲”で、太陽星の宮に化忌が入ってくることから、西暦2024年2月10日以降、東南アジアで生じた争いの火種が各国に飛び火していく可能性が読み取れます。そんな世界情勢が予測されることを今から心に留めておいていただけたらと思います。

 では、各国の運気を見ていきましょう。

 南アメリカ=紫微・天府星には、吉星の左輔と凶星の貫索が入ってきます。貫索は仇討ちを示唆する星ですが、左輔の力で抑えられ、よからぬ企みは失敗に終わるでしょう。例えていうなら、暗殺者の存在を警察が察知し、事を起こす前に取り押さえる……そんなイメージの星回りです。大きな事件には発展しないものと思われます。

 アメリカ=太陰星は、今月の鍵となる星のひとつ。吉星の化権を伴うほか、三方四正でつながる太陽星の禄存、天梁星の天魁といった吉星の影響を受け、自身の権威を高めていける運気にあります。世界をリードするような何らかの出来事やアクションが見られるかもしれません。経済面では、宝飾、ハイテク、金融、株式といった業界が特に好調です。疾病や伝染病の流行を示唆する凶星の天狗がありますが、吉星の力によって抑制され、大きな問題とはならないと見ています。

 カナダ=貪狼星は、今月の鍵となる星のひとつで、吉星の化禄を伴います。さらには吉星の文曲も入ってきます。化禄は誰の目にも明らかな躍進を促す星。さらに文曲は幸運をもたらす力を倍増させる星とあって、娯楽、服飾、金融業の活性化をはじめ、大きな経済的発展が見込めます。ただ、少々気になるのが凶星の陰煞の存在。貪狼星にある場合、感染症を引き起こすと読み取れるのですが、三方四正でつながる多くの吉星の好影響を受け、大事には至らないものと思われます。

 ロシア=巨門星には、凶星の病符が入ってきます。さらに、三方四正でつながる天同星にある破碎と捲舌、天機星に入る化忌、銀河線で結ばれる太陽星にある月煞と劫煞……と非常に多くの凶星の影響を受ける物々しい星回り。ワグネルの反乱は早期撤退となりましたが、これからのひと月も、さまざまな問題が起き、困難に見舞われ、大きなダメージを負うことになるかもしれません。

 ウクライナ・ベラルーシ=廉貞・天相星には、悲しみや心配事を象徴する凶星の天哭があり、一向に止まない侵攻による犠牲は続くものと思われますが、三方四正でつながる武曲星にある文昌、紫微・天府星にある左輔、銀河線でつながる破軍星の右弼といった複数の吉星の好影響を受け、悲しみを乗り越える力を得ていけそうです。星回り的には、ウクライナが優勢です。人々に平和な日々が戻ることを切に願います。

 ヨーロッパ&中東=天機星は、今月の鍵となる星のひとつですが、伴っているのは凶星の化忌。運気自体はとても不安定なうえ、銀河線でつながる天梁星にある凶星・白虎の影響を受けるため、暴動や紛争、銃撃事件などの流血沙汰が起こる可能性が。しかし、この宮には吉星の天鉞という救いがあります。この星が災いを抑えてくれることを期待しましょう。また、金匱という金運をもたらす吉星もあり、経済面は上々です。特に観光、服飾、食品、エンタメ、医療機器業界には多くのチャンスがもたらされるでしょう。

 インド&アフリカ=破軍星には、今月の鍵となる星のひとつ・右弼が吉星の化科を伴って入ってきます。これは喜び事が何倍にも増すという星回り。さまざまな分野での好況が予想されます。特に、電子部品、建設、セメント産業、金融、観光といった業種の見通しが良好です。ただし、2つの凶星・羊刃と喪門があり、列車をはじめとした大型の交通機関での大きな事故が発生する可能性が。六大吉星である右弼の強い力で、被害が最小限にとどまることを祈ります。

2023.06.30(金)
文=堀 由美子