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「いいじゃないか。偽物の勇者で」

――ヒンメルの言葉や行動で心に残っているものはありますか。

 一番好きなヒンメルのセリフは、「いいじゃないか。偽物の勇者で」。ネタバレになるので詳しくは話せないのですが、「偽物でも本物にすればいい」という理論を、僕は役者の理論として受け取りました。さも経験したかのように思わせるのが役者の仕事。キャラクターに魅力を与え、見る人に疑似体験をしてもらうことは、役者をやっていて楽しい部分でもありますからね。

【後篇】に続く

岡本信彦(おかもと・のぶひこ)

10月24日生まれ、東京都出身。大学在学中に声優デビュー。2008年放送のTVアニメ「とある魔術の禁書目録」一方通行(アクセラレータ)役などで注目され、第3回声優アワード新人男優賞を受賞する。2012年5月、「Palette」でアーティストデビュー。2021年4月、新事務所ラクーンドッグの代表取締役に就任。主な出演作は、「バクマン。」(新妻エイジ)、「青の祓魔師」(奥村燐)、「TIGER&BUNNY」(折紙サイクロン/イワン・カレリン)、「ハイキュー‼」(西谷夕)、「暗殺教室」(赤羽業)、「僕のヒーローアカデミア」(爆豪勝己)、「鬼滅の刃」(不死川玄弥)、「灼熱カバディ」(王城正人)、「平家物語」(平資盛)、「オチビサン」(ナゼニ)など多数。

アニメ『葬送のフリーレン』

・9月29日(金)21時~日本テレビ系「金曜ロードショー」にて、「初回2時間スペシャル 〜旅立ちの章〜」を放送
・10月6日(木)より日本テレビ系の新アニメ枠ほかにて毎週金曜日23:00~放送

勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
https://frieren-anime.jp/

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2023.09.29(金)
文=大曲智子
写真=鈴木七絵