この記事の連載
「葬送のフリーレン」岡本信彦インタビュー#1
「葬送のフリーレン」岡本信彦インタビュー#2
初めて仕事で“おじいさん”の声を演じて
![「いわゆるイケボはやらないようにした」と岡本さん/撮影 文藝春秋](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/8/1280wm/img_f80177e52b25087507f24ec961632ddc125605.jpg)
――声を出す上ではどんなことを意識しましたか?
本質的なイケメンキャラクターですが、いわゆるイケボはやらないようにして、お芝居はリアリティがある方に寄せました。現場でそうディレクションを受けたというのもありますが、アイゼン役の上田燿司さん、ハイター役の東地宏樹さんもかなりみんなだいぶナチュラリティなお芝居をされていたので、みなさんと一緒に掛け合いをしていくうちに、自分も自然とナチュラルになっていきました。
![勇者パーティの面々©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/f/1280wm/img_1f164520f66ec3b50ae20df493cf8106130184.jpg)
――若き頃のヒンメルだけでなく、年老いたヒンメルを演じているのも岡本さんですよね?
そうなんです。普通なら役者を変えてもおかしくないところなので、これも僕がやるんだとびっくりしましたね。仕事でおじいさんを演じたのは実はこれが初めてになりました(笑)。初回のアフレコでご一緒した上田燿司さんに、おじいさんを演じるときに注意すべきことを聞いたんです。上田さんは青年からおじいさんまで幅広く演じられる方なので。「筋力がなくなっているのでそのかわりに丹田に力を込める。それ以外の部分は脱力してしゃべるとできるよ」と言われたので、忠実にはできないんですが見様見真似でやりました。現場からも「若い頃の雰囲気を残しつつ自然にやってほしい」と言われたので、老ヒンメルは僕にとってチャレンジでしたけど、仕上がりを見たら奇跡的にいいバランスになっていたのでホッとしました。
2023.09.29(金)
文=大曲智子
写真=鈴木七絵