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プロポーズの準備風景を書いた「結婚相手の条件」

田中 読む人によって響く内容が違うと思うから、難しいですね。

 俺がいじめられた時の「いじめっ子とお笑いと」というエッセイは、いじめられた経験がある人や、いじめに悩んでいる人にぜひ読んでほしいし、芸人の世界に興味がある人は、テレビに出始めた頃のことを書いたエッセイ「初めてのテレビ収録」が刺さるんじゃないかな。芸人が初めてテレビに出る瞬間の気持ちって、なかなかわからないと思うので。女性読者には、プロポーズの準備風景を書いた「結婚相手の条件」が面白いかもしれません。

――「結婚相手の条件」は、読んでいて「プロポーズってこう準備するんだ!」と新鮮でした。

田中 でもね、プロポーズの考え方は人によりますよ。こういう風にきちんとしたプロポーズをやりたくない人もいると思うんですよね。

 俺も積極的にやりたいとは思っていなかったけど、テレビ番組の収録で、「あれってプロポーズだったの!?」って女性が男性に詰め寄るシーンを何度か見たことがあったから、サラッとしすぎると印象に残らないようだから気を付けようと肝に銘じていた部分があったんですよね。それで踏み切りました。最終的にはプロポーズをちゃんとやってよかったなと思っています。

 男性も女性も、プロポーズするかどうか悩んでいるならちょっと振りかぶるくらいの気持ちでやったほうがいいですよ。うまくいっても失敗しても、最終的には2人の思い出になると感じましたから。

インタビュー【前篇】に続く

田中卓志(たなか・たくし)

1976年2月8日生まれ。広島県出身。広島大学工学部第四類建築学課程を卒業後、2000年に山根良顕と「アンガールズ」を結成。現在は冠番組「呼び出し先生タナカ」(フジテレビ)に出演するほか、テレビ番組やポッドキャストなどのレギュラー番組を多数抱える。

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2023.09.23(土)
文=ゆきどっぐ
撮影=山元茂樹