【ヨロン島編】世界に誇りたいヨロンブルーが広がる絶景アイランド

 鹿児島の最南端の島、ヨロン島。鹿児島本土からは563キロ離れているのに対し、沖縄本島まではわずか23キロ。沖縄本島の辺戸岬が肉眼でもはっきり見えます。距離的に近いせいか、文化や自然、島の雰囲気も沖縄と共通する点が数多くあります。

 チョウチョウウオの形をしたヨロン島は、周囲約23キロ。ぐるりとサンゴのリーフで囲まれ、海に流れ込む川もないので、透明度も平均25~30メートルとすこぶる高いのが特徴です。

 島内には60ものビーチがあり、どこも透明度が高く、白砂も上質で、圧倒的な美しさ。そんな極上ビーチが人知れず広がっていたりします。こんな奇跡的が起きているのには、おそらくヨロン島へのアクセスが関係しているのではないでしょうか。

 ヨロン島は主要都市からの直行便がありません。沖縄本島から飛行機もしくはフェリー、あるいは鹿児島本土や奄美大島から飛行機でアプローチしなくてはなりません。このひと手間のおかげで、観光客でごった返すこともなく、手つかずの自然が残されているのでしょう。

 そんなヨロン島、実は昭和40年代には若者の憧れの旅先として大人気でした。クイズのトップ賞の賞品になったことも。中心部の銀座通りのディスコは、夜ごと盛り上がっていたそうです。今はそんな大フィーバーはないけれど、ノスタルジックな昭和レトロ感がいい感じ。

 また、ヨロン島は星空もすごい! 山や高い建物がないのでその分空が広く、ネオンがないので光害の影響もありません。夜空には、北限の南十字星が輝き、天の川も大河のように流れています。冬にはシリウスの次に明るいカノープス(りゅうこつ座の一等星)も。ちなみにカノープス、長寿と幸福の象徴で、見られると寿命が延びるとされているんだそうです。

2023.09.14(木)
文・撮影=古関千恵子