100年先も美しい西表島を守るため持続可能な観光を提案

 星野リゾート 西表島ホテルは日本初の「エコツーリズムリゾート」とすることを宣言し、「環境を守ること」、「魅力ある観光地であること」、「観光業により地域が元気になること」を目指していることでも話題だ。

 エコツーリズムとは、観光で得た収益を自然や文化の保全に回し、その豊かな魅力を求めてツーリストがまたその地を訪れる、そういった持続可能な循環をつくろうという考え方。世界のリゾートが目指す先進的なスタイルを取り入れ、日本が誇る世界自然遺産を守るという、星野リゾートらしい挑戦だ。

 その一環として、宿泊予約を二泊以上の滞在に限定した取り組みをスタート。西表島は観光客が多いものの、実のところ石垣島からの日帰り観光旅行者が多く、一部エリアへの利用の集中によりオーバーツーリズム状態に。二泊以上の滞在型観光を実施することで、島の自然環境を保護し、地域に経済効果が還元できる。

 何より、ショートステイでは体験しきれない海や山、滝、無人島での星空観測などなど、こんなに美しい島のさまざまな場所でのアクティビティを堪能せずに帰るのはなんとも惜しい話……! 飛行機と船を乗り継ぎ、時間をかけて島を訪れたのならば尚更、連泊して島の魅力を存分に味わうことをおすすめしたい。

 また、「エコロジカルなホテル運営」を行うために、使い捨て(1WAY)のホテルアメニティ(歯ブラシやクシ、ひげそりなど)やペットボトルの販売を廃止。

 24時間いつでも利用可能なウォーターサーバーを館内に設置し、マイボトルの持参を推奨している。お忘れの方には、ボトルのレンタルサービスも行っている。

 これは、ホテル運営によって生じる廃棄物の単純焼却・埋め立てゴミゼロ(=リサイクル率100%)を実現するために行われているそう。

 さらに、ツーリストに向け「インフォームドチェックイン」を導入。ホテルのチェックイン時に、ホテルスタッフがイリオモテヤマネコの保護をはじめとした自然環境への情報を提供。世界自然遺産である西表島でのマナーを知ることで滞在をより深く楽しむことができる。

2023.08.15(火)
文=天野真由美
写真=佐藤 亘