子供が「私もミュージカルの世界に入りたい」と思ってもらえるような存在になりたい
――先ほど、在団中に「自分の役をどう演じてもありなんだ」という考えに変わったという話をされていましたが、それはいつ頃で、そっちに考えをシフトできたきっかけのようなものはあったんでしょうか。
トップお披露目公演(『ひかりふる路~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』『SUPER VOYAGER!』)のときに、声帯を壊したことが大きかったです。原因はメンタルから来るものだったのですが、そんなことは人生で初めて。周りの声を気にして、”全部の理想にちゃんと応えなければ生きている意味がない”とばかり考える毎日。そんな自分になるのも予想外でしたが、それで死んだら意味がないなと、人の評価を気にしてもしょうがないなと意識を変えました。
――先ほどからお話を伺っていると、ハキハキとしていてとてもポジティブな印象を受けるのですが。
どうなんでしょう! 子供の頃の自分はポジティブだった気がしますが、友達とのことでメソメソ悩んだりもしてましたよ(笑)。ポジティブでもあり、ネガティブでもあるみんなと同じ人間の1人です。最近は「いろんな気分があるよね。気楽に生きよう~」って思っていますね。
――真彩さんご自身が、やりたいと思う作品や役ってどんなものですか?
一番は、子供が見たときに「私もミュージカルの世界に入りたい」って思うきっかけになるような役を演じていきたいということです。私も子供の頃にミュージカルを観て「この世界に入りたい」と思った人間なので。あとは、芝居としての心が通じている歌があるかどうかでしょうか。
まずは芝居の感情があって、その上で生まれてくる歌を歌っていきたいので、ただ歌うだけのために出る役というのはやらないかもしれません。ストレートプレイも今は考えていませんね。やっぱり私は歌わせてもらってナンボ(笑)。ミュージカル人間として生きたいです!
》【インタビュー前篇】真彩希帆が“天使の歌声”で魅了! 「クリスティーヌ役は最後になるかも」を読む
ミュージカル『ファントム』
【大阪公演】
期間:2023年7月22日(土)~8月6日(日)
会場:梅田芸術劇場メインホール
<公演に関する問い合わせ>
梅田芸術劇場:06-6377-3800(10:00~18:00)
【東京公演】
期間:2023年8月14日(月)~9月10日(日)
会場:東京国際フォーラム ホールC
<公演に関する問い合わせ>
キョードー東京:0570-550-799(平日 11:00~18:00、土・日曜・祝日 10:00~18:00)
公式サイト https://www.umegei.com/phantom2023/
公式Twitter @Phantom_JP2023
真彩希帆(まあや・きほ)
7月7日生まれ、埼玉県出身。2012年、宝塚歌劇団に入団、2017年雪組トップ娘役に就任。確かな歌唱力と繊細な演技力で、往年の名作からコメディ作品まで幅広く役をこなす。2021年4月をもって歌劇団を退団後は、舞台「ドン・ジュアン」「笑う男」「流星の音色」「ジキル&ハイド」等、話題作でのヒロイン役に於いて、ミュージカル女優として着実な活躍をみせている。今夏「ファントム」今秋は小池修一郎作・演出「LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~」への出演を控える。
2023.07.21(金)
文=CREA編集部
撮影=深野未季