ケーブルカーでひとっとび! アルプスの絶景展望台

街の背後にどーん!とそびえるアルプスの山々。実際に見ると本当にびっくりします

 インスブルックといえば過去に2度、冬季オリンピックが開催されている地として有名ですが、それもそのはず、街のすぐ裏手(本当に「裏手」という表現がしっくりくるほど近いのです!)には巨大なアルプスの山々がそびえています。上の写真を見ていただいてもわかるとおり、銭湯のタイル絵のごとく見事で、市街から拝んだときはニセモノかと思うほどでした。

 富山や松本など、日本でも雄大な山を望む山岳都市はありますが、インスブルックはまったくスケールが違います。なぜって、このでっかい山のてっぺんに何の装備もナシに登れてしまうのですから!

ハーフェレカーへ登るケーブルカーの入口。近未来的なデザインは女流建築家ザハ・ハディド氏によるもの

 インスブルックの街から見上げる大きな山、ノルトケッテ連峰。なんと標高2334mにあるハーフェレカー展望台まで、ケーブルカーとロープウェイを乗り継いで楽々登れてしまうというのです。日本でいうと白馬みたいな感じでしょうか……。まず乗り込むのは最新式のケーブルカー。なのですが、駅がスゴイことになっています(上写真参照)! このSFチックな建築を手がけたのは、イラク出身の建築家ザハ・ハディド氏。余談ですが、彼女は2020年東京オリンピックの会場となる新国立競技場の建築を手掛けることが決まっています。まあ、とにかく山に登る前からテンションが上がるケーブルカーなわけです。

ハーフェレカー展望台。山頂には十字架が掲げられていました。360度、山です!

 地下を走るケーブルカーに揺られることしばらく。徐々に傾斜がきつくなってきたなあ、と思ったら突然車窓が明るくなり、街が小さく見えました。さすが最新式! 市街地の駅からほんの数分で山の中腹まで来ちゃいました。終点でロープウェイに乗り換え、さらにもう1本ロープウェイに乗ると、もう展望台です。ここまで歩いた距離は乗り換えのための数十mほど。さすが世界屈指の山岳リゾート地です。平日だというのに、山頂駅はスキーヤーでにぎわっています。聞くと、インスブルックの人々は、ちょっと長めのランチタイムをとってここまで登り、スキーで滑って街まで帰るのだとか! 昼休みに標高2000mから滑って、また仕事に戻るなんて! 山を愛し、山に寄り添って暮らすインスブルックの人たちの生活を垣間見たようで、驚きつつもすごくうらやましく感じてしまいました。展望台へのケーブルカー、ロープウェイは冬季も運行していますので、ぜひ雄大な雪山を見に登ってみてください。

フンガーブルクバーン(ケーブルカー)
営業時間 7:00~19:30(土日祝は8:00~)

ゼーグルバーン(ロープウェイ)
営業時間 8:30~17:30

ハーフェレカーバーン(ロープウェイ)
営業時間 9:00~17:00
URL http://www.nordkette.com/

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2013.12.22(日)
小林百合子=取材・文
田部井朋見=写真