ドイツ、スイス、イタリア、スロベニア、ハンガリー、スロバキア、チェコ、リヒテンシュタイン。8つもの国々と国境を接するオーストリアは、地域によって様々な街の表情や文化を見せてくれる奥深い国。なかでも11月中旬から開催されるクリスマスマーケットは、本場ドイツと並ぶ規模と美しさを誇ります。第1回は世界中の人があこがれるウィーンのクリスマスマーケットをご紹介します。

ハプスブルク家の宮殿をライトアップ!

上品なツリーが飾られたシェーンブルン宮殿は厳かな雰囲気

 11月中旬、ウィーンにはいたるところにツリーが出現し、イルミネーションが街を彩ります。そして、街の人々が心待ちにしているのが、クリスマスマーケット。市庁舎前や市内の各広場で開催されるマーケットは規模も雰囲気も屋台の趣向もさまざまで、何カ所回っても飽きません。というわけで今回は、ウィーンのおすすめクリスマスマーケットをめぐってみました。

 ひとつ目はハプスブルク皇帝の夏の離宮として使われていたシェーンブルン宮殿。かの女帝マリア・テレジアや絶世の美女皇后と呼ばれたエリザベートが暮らしたことでも知られていて、ヨーロッパでもっとも美しいバロック宮殿のひとつに数えられています。圧巻は正面広場に設置された巨大ツリーと、宮殿が厳かに浮かび上がる優雅なライトアップ。まるで宮殿全体が月明かりに照らされているようで、シックかつ大人っぽい雰囲気です。

ガラスにクリスマスのモチーフが彫られたオーナメント。大人買いしたい!

 広場にびっしりと立ったスタンドでは、繊細な手仕事が施されたクリスマスオーナメントや手作りのキャンドルなどが並び、会場の雰囲気同様、大人っぽいクラフトがずらり。日本では手に入らないようなレトロなデザインのクリスマスグッズが揃うので、お土産にしても喜ばれそうです。

シェーンブルン宮殿内。展示された調度品は実際に使われていたものだそう

 シェーンブルン宮殿では昼間限定で宮殿内の見学ツアーが開催されていて、1441ある部屋のうち40部屋を実際に見ることができます。ロココ調の豪華絢爛な部屋の数々はため息の連続。歩くだけで優雅な気分に浸れること間違いなしです。昼の宮殿見学と夕方からのクリスマスマーケットをセットにすれば満足度も倍増! 夫婦やカップルで静かにクリスマスのムードを楽しみたい人におすすめです。

シェーンブルン宮殿前のカルチャークリスマス市
会場 Schloss Schönbrunn, 1130 Vienna, Austria
開催期間 2013年12月26日(木)まで
開場時間 10:00~21:00(12/24は10:00~16:00、12/25、26は10:00~19:00)
URL www.weihnachtsmarkt.co.at

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2013.12.07(土)
小林百合子=取材・文
田部井朋見=写真