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韓国のアートブックフェアがきっかけで、作家と友達に

――natsuyoさんは多くの韓国人作家と交流されていますが、どうやって知り合ったんですか?

natsuyo ライブハウスやDJイベントなどに行っているうちに知り合いが増え、そこに集まっていた 人々がたまたま作品づくりをしている人が多かったのがきっかけです。また今は、韓国の書店「YOUR-MIND」が2009年から年に1度主催するアートブックフェア『UNLIMITED EDITION』を開催しており、そこで気になる作家さんをチェックしています。

 このアートブックフェアには、冊子「ZINE(ジン)」や雑誌を作るリトルプレスが参加していて、2014年くらいから参加者が増えていったんです。これをきっかけに、リトルプレスを扱う独立書店ブームも起きました。基本はZINEを中心に販売するんですが、それと一緒に雑貨も扱うようになって。韓国雑貨が一般に流通したのも、このアートブックフェアがきっかけに感じます。

――韓国人作家の作品は、大手企業にコピーされてしまうケースもあるそうですね。作家の方々はどう感じていらっしゃるんでしょうか。

natsuyo 『とっておき韓国雑貨ガイド』の取材をした時に、ヨリンバラムというブランドを経営する作家のオ・シヨンさんが、それに関してこんなことを言っていました。

 彼女はモビールの作品を作っているのですが、大手企業に類似商品を販売されてしまいました。でも、裁判を起こすことも難しい状況で……。オ・シヨンさんは、「類似商品に対して貴重な時間を消費するより、クリエイティブに活動する時間の方がよっぽど大事。過去の作品はマネできても、これから私が作る作品は誰にもコピーできないから」と言ったんです。作家の方たちには、そういう姿勢で制作に取り組む気持ちがあるのかもしれません。

2023.06.17(土)
文=ゆきどっぐ