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随所にちりばめられたホスピタリティ
温かな高揚感に包まれながら客室に入れば、自動でカーテンが開き、壁一面の窓にビクトリアハーバーと香港島を一望する“ザ・香港”な絶景が!
壁を飾るのは、街の情景を描いたノスタルジックな絵画。香港迷(香港ファン)なら、この空間に思わず胸が熱くなるかもしれない。
各部屋の前にゆったりと設けた共有スペースの存在も斬新だ。ここは自由にくつろげるリビングでもあり、ギャラリーでもある。
惜しみなく飾られた美術館並みのアートに一部は、オーナー一族が所有するもの。その中には、風水やシノワズリを感じるオブジェもあって、香港らしさがいっぱい!
随所にちりばめたこうした香港愛とホスピタリティこそ、「ローズウッド 香港」の神髄。この街にラグジュアリーなホテルは数あれど、風土をこれほど素敵に表現しているホテルは唯一無二といえるだろう。
背景にあるのは、若きCEO、ソニア・チェン氏の香港への思い。「ニュー・ワールド・デベロップメント」の創設者の孫娘でもある彼女にとって、祖父の代から築き上げた活気ある尖沙咀は、思い入れの深い場所だ。
熱い思いと愛を秘めて、ニューヨーク拠点の世界的デザイナー、トニー・チーとともに、高級感とローカルの風情が共存する世界観を作り上げたという。
2023.05.29(月)
文=芹澤和美