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伝説のホテルが織りなす、香港愛とラグジュアリー感に満ちた世界

 しばらく旅をする機会のなかった香港。エネルギッシュで、刺激的で、美食にあふれた街の現在が気になる人もいるはず。

 パンデミックを経た街は、アイコン的存在のピークトラムが装いを新たにしたり、多くの文化施設やレストランがオープンしたりと、飛躍的なアップグレードを遂げている。

 その象徴ともいえるのが、2019年3月に誕生した「ローズウッド 香港」だ。

 母体の「ローズウッド ホテルズ&リゾーツ」は、世界18カ国に30のリゾートとホテルを展開するブランド。そのルーツは、石油王の一族が1979年に開業したテキサス州・ダラスの邸宅ホテルにある。2000年には、世界中のセレブリティが逸話を刻んだニューヨークのホテル、「ザ・カーライル」を傘下に入れたことでも話題となった。

 そんな伝説のホテルグループを、香港の一大財閥「ニュー・ワールド・デベロップメント」が買収したのは2011年のこと。ホームグラウンドである尖沙咀に満を持してオープンした旗艦ホテルは、香港の新しいランドマークとなっている。

 ともすれば煌びやかさばかりが際立つかといえば、館内に入り感じるのは、邸宅に招き入れられたかような温かさ。世界各国から集めた芸術品も、壁の装飾や調度品も、照明も、フレンドリーかつスマートなお迎えも、なにもかもがエレガントで心地がいい。

2023.05.29(月)
文=芹澤和美