この記事の連載
- パリ発FAUCHON【フォション】前篇
- パリ発FAUCHON【フォション】後篇
フォションの創業者、オーギュスト・フォションはノルマンディーでフランス国内の高品質な食材や食料品の販売をスタートした後パリに進出し、マドレーヌ広場で国内の新鮮なフルーツなどを販売するようになりました。そして今ではグルメ食料品のトップブランドとなったフォション。
華やかなビジュアルだけでなく、確かな品質に裏打ちされた美味はどのように育まれたか、その歴史を辿ります。
フルーツや野菜をトラックで売り歩く行商からスタート!
1886年、フルーツや野菜の行商人だったオーギュスト・フォションがスパイスや鮮魚、ワインやハムなどを扱う食料品専門店のフォション1号店をマドレーヌ広場にオープン。
その後、ワインセラー、ベーカリー、パティスリーなどを次々とオープンさせ、1900年頃には「フォションに行けばないものはない」と言われるまでに。1906年発行のカタログによればコメット通りのワインセラーには約80万本もの酒がストックされていたそうです。
サロン・ド・テのオープンでフランス式“ハイティー”を生み出す
1898年にオープンした「グラン・サロン・ド・テ」では、英国式のアフタヌーンティーとは異なり、午後5時頃に紅茶とスイーツを一緒に楽しむフランス式のティースタイル=ファイブオクロックティー(ハイティー)を定着させます。
“Central4353”というフォション本店の電話番号はパリで最も有名な番号だったとか。また、産地の異なる茶葉をミックスしたブレンドティーの考案も話題に。フォションの名は世界中の文化人の間で知られるようになりました。
2022.11.23(水)
文=齊藤素子