軽井沢といえば、言わずとしれた夏の避暑地。実は、観光客でごった返す夏を避け、しっとりと静かで紅葉が美しい秋を選ぶ人も多いのです。

 旧軽井沢銀座の奥に2021年に誕生した「クレソンリバーサイドストーリー旧軽井沢」は、そんな“秋の軽井沢”を楽しむのにぴったりな場所でした。

 今回は、信州の素材をじっくり楽しめるランチメニューをご紹介しましょう。

【軽井沢旅】信州発のアフタヌーンティーの記事を見る


信州の野菜をとにかくたっぷり食べられるランチコース

 コースのはじまりは、店名にもあるクレソンの一皿。今回使うクレソンは2種類。優しい味わいのものと、ワイルドな風味を持つクレソンを使います。調理法は季節によって変わりますが、レモンのドレッシングを使ったサラダに、アンチョビパン粉をぱらり。サラダの中には茎をカリカリに上げたものを潜ませています。食感も温度も違い、クレソンの新しい魅力に出合えるかも。

 サラダをもうひと皿。「旬野菜の菜園仕立て ~最大限に美味しい調理法で~」の名にふさわしく、菜園のように美しいサラダです。

 20種類もの季節野菜を使っており、シェフが朝、直売所や農家から仕入れ、ハーブやエディブルフラワーは自ら育てているものも登場。

 それぞれを生だったり、マリネしたり、ゆでたり、低温で調理したり……、その野菜がいちばんおいしくなる方法を見極めて調理。ソースも自家製塩麴や豆乳を使ったビーガンマヨネーズ、ビーツと赤ワインビネガーベースの甘酸っぱいソース、信州産ふじりんご酢のジュレを。「にんじんとごまオイル」「紫キャベツとフランボワーズビネガー」「キャベツとジュニパーベリー」と3種類のピュレも添えられていて、多彩な味わいです。

このサラダを目当てに通う人もいるという、美しく、大満足のひと皿です。

セレクトできるメイン料理はその日のお楽しみ

 メインディッシュはおすすめの中からセレクトします。

 こちらは、豚肉のロティ。安曇野放牧豚は、メニュー名にもあるように、「旨みアピール」の強いこと! 自然の中でのびのびと育てられた豚は、しっとりと焼き上がり、味わいが引き出されています。豚の肉汁とシェリービネガーをベースにしたソースも秀逸です。

 また、豚肉の周りには香ばしく焼いた野菜が彩っており、香り高く、豚の味を立てるかのよう。ほかに、自家製ベーコンから作るピペラード(ベーコンや玉ねぎ、トマトを使ったバスク地方のソース)やリエットも並び、やっぱり大満足。

 ランチのメインはほかに、ハンバーグや仔羊、牛ヒレなど日替わりで数種類、幅広いラインナップがあるので何度でも訪れたくなります。

2022.11.11(金)
文=CREA編集部