よしながふみさんが注目する作品をインタビュー
『大奥』『きのう何食べた?』で知られるよしながさんが、全篇語り下ろしのインタビュー本『仕事でも、仕事じゃなくても 漫画とよしながふみ』(フィルムアート社)を刊行。「仕事とよしながふみ」についてお話を伺った際に、今、気になる作品についても教えてもらいました。
「昔の作品もよく読み返しますし、連載中の作品は雑誌で追いかけています。例えば、『スキップとローファー』(高松美咲)と『のだめカンタービレ その後』(二ノ宮知子)はキュンキュン度合いが今めっちゃ“ぎゃー!”なんですよ。『セーラー服と機関銃』を彷彿とさせる『来世は他人がいい』(小西明日翔)も少し違う角度からわー、ぎゃーと……すみません、語彙力が(笑)。
『メダリスト』(つるまいかだ)はフィギュアスケート、『ワンダンス』(珈琲)はヒップホップダンス、『ちはやふる』は競技かるたを題材にしたスポ根モノで、熱いです。スポ根モノには必ず、主人公以外の人のことも描かれています。
スポーツの世界は、私が今度描こうと思っている俳優の世界とも似ていて、持って生まれた才能に左右される部分が大きい。欲しいものが手に入らなかった人たちが、それでもどうやって頑張っていくのかが描いてあるから人気のジャンルなんだと思うんです。
才能について他の作家さんがどう捉えていらっしゃるか、興味があります。『ブルーピリオド』は美大を舞台にした、画家の卵たちの物語。このインタビューの一番近い時間に読んだのが「月刊アフタヌーン」だったので、この雑誌の連載作品のお話が多くなりました(笑)」(よしながさん)
※すべて講談社刊
◆『ブルーピリオド』山口つばさ
『ブルーピリオド』山口つばさ
講談社 693〜748円 既刊12巻
◆『ちはやふる』末次由紀
『ちはやふる』末次由紀
講談社 495〜539円 既刊49巻
よしながふみ
『月とサンダル』で商業デビュー。2004~20年まで連載された『大奥』で、第13回手塚治虫文化賞マンガ大賞や第42回日本SF大賞など多数の賞に輝く。現在「モーニング」で『きのう何食べた?』を連載中。
2022.11.07(月)
Text=Mao Yamawaki、Daisuke Yoshida