箱根火山のエネルギーを閉じ込めた、2本のかけ流し源泉と岩盤浴でデトックス

 

 首都圏からもっとも近い、憧れの温泉リゾート・箱根。なかでも強羅は明治・大正の頃から政財界人や文化人の別荘保養所が数多くあった地域で、“お籠もり系の高級宿”が多いエリアである。

 強羅にある宿の中には自家源泉を持っておらず、大涌谷から引湯している施設も多いが、円かの杜は2本の自家源泉を所有。豊富な湯量があるため、全室にかけ流しの温泉がついている。

 客室に引かれた源泉の泉質はナトリウム−塩化物泉。火山のエネルギーを凝縮した、90度台のパワフルな源泉は、温まり効果が高いのが特徴だ。

 箱根の森に抱かれるかのような、大浴場の露天風呂にもぜひ出かけてみてほしい。緑の木々の隙間から光が差し込み、耳には野鳥のさえずりが響く、極上の湯浴みが体験できることだろう。

 ゆっくりと湯浴みが楽しめるのは「ぬる湯」浴槽を設けた贅沢な造りだからこそ。こちらの泉質はナトリウム−塩化物・硫酸塩・炭酸水素塩泉。「洗浄作用のある泉質だから、まずは大浴場に入った後に、客室の露天風呂で保湿・保温するのがおすすめ」(女将)だそう。

 内湯にも「あつ湯」と「ぬる湯」、そして「寝湯」の浴槽がある。温泉はすべての浴槽でかけ流し(温度調整のための加水はあり)なので、温泉そのものの気持ちよさを心ゆくまで堪能できる。

 温泉との相乗効果で、さらなるデトックス効果を望めるのが「岩盤浴」だ。館内と同じ天然木を配した安らぎのインテリアで、プライベート空間での利用が可能。石板の上に寝転がると、数分のうちに額に玉の汗がじわりと染み出してくる。

 「冷えは万病の元」というけれど、岩盤浴は体を芯から温める効果が高く、汗をかくことで体内の有害物質が排出され、血行促進、疲労回復、免疫増強の効果も。温度は45度と50度の2タイプ。45分(要予約) 1,800円。

 当日、チェックインとともに予約を入れておきたい。1クール入れば翌朝の目覚めもすっきりだ。

2022.08.18(木)
文・撮影=野添ちかこ