大自然に由来する希少な山羊のチーズ

◆山田農場チーズ工房(やまだのうじょうチーズこうぼう)

工房の入り口でまずアヒルが出迎えてくれる。山羊のほか、羊なども。
工房の入り口でまずアヒルが出迎えてくれる。山羊のほか、羊なども。
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　舗装された道を外れ、砂利道から草木の生い茂った脇道を入ると、その先には山羊とチーズの楽園がある。

　傾斜地に放たれた数十頭の山羊は野芝などの牧草を喰んでのびのびと暮らしている。

2006年から農場を開墾し、畜舎・自宅・チーズ工房なども自ら建てた。半地下となっている1つ目の熟成庫の基礎は手掘りだったので、2つ目の熟成庫を重機で掘り始めたときにも「また手掘り？」との声も。
2006年から農場を開墾し、畜舎・自宅・チーズ工房なども自ら建てた。半地下となっている1つ目の熟成庫の基礎は手掘りだったので、2つ目の熟成庫を重機で掘り始めたときにも「また手掘り？」との声も。

　人が寄っていっても、警戒する様子もなく、ただただのんびりと草を喰み続ける。輸入の穀物飼料は一切給餌せず、朝晩、手搾りで搾乳する。

現在、搾乳用の山羊は20頭。朝と夕方に搾乳し、冬場以外はほぼ完全放牧。撮影で傾斜地に上がっていくと、寄ってきては衣服を喰みはじめる。布製品も大好物のよう。
現在、搾乳用の山羊は20頭。朝と夕方に搾乳し、冬場以外はほぼ完全放牧。撮影で傾斜地に上がっていくと、寄ってきては衣服を喰みはじめる。布製品も大好物のよう。

　現代の酪農では搾乳した乳を加熱殺菌するが、ここでは搾乳した山羊の生乳を天然の乳酸菌や酵母を活用して、チーズに仕上げていく。

看板アイテムのチーズ、“ガロ” 850円。
看板アイテムのチーズ、“ガロ” 850円。

　定番の“ガロ”は熟成が浅いうちは乳や酸などの要素がくっきりと分離した味わい。3週間熟成させると、驚くような一体感と複雑味のあるチーズが生まれる。

実は酒販免許もあり、ナチュラルワインなども販売している。
実は酒販免許もあり、ナチュラルワインなども販売している。

　すべては大自然の恵みであることを改めて知る。

素朴な看板。
素朴な看板。

山田農場チーズ工房(やまだのうじょうチーズこうぼう)

所在地　北海道亀田郡七飯町上軍川900-1
電話番号　 0138-67-2133
営業時間　10:00～15:00頃
定休日　不定休(平日は予約のみ)
※土・日曜、祝日は営業していることが多いが、訪問前には必ず確認を。平日は予約客のみ対応。
http://yamadanoujou.blog.fc2.com/

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道産小麦のずしりと重いパン

2022.07.27(水)
Text＝Tatsuya Matsuura(babakikaku)
Photographs＝Takashi Shimizu

CREA Traveller 2022 vol.3
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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