近年、北海道のワインに注目が集まっている。既に知られている空知や十勝だけではなく、西に南に新風が吹いているのだ。
たとえば2011年、余市郡の一部が「ワイン特区」に認定されて以降、この地に続々とワイナリーが立ち上げられ、それにつられるように、新しいバーや話題のレストラン、オーベルジュなどがオープンしている。
今回は北海道のワインが楽しめるワイナリーやレストランと、お土産も揃うショップをご案内。
見渡す限りのブドウ畑。この圧倒的なスケール感は国内で無二の大地だからこそ。この地で育まれるワインと滋味深い美味に酔い、心も体も解き放たれる旅へ。
継がれた魂は本場の叡智と若い力で伸びゆく
◆CAMEL FARM WINERY(キャメルファームワイナリー)
![総面積は13.5ヘクタールという広大なキャメルファームワイナリーからの夕日。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/7/1280wm/img_07ca6b4b85187c7d57757e127fce854a169924.jpg)
晴れた日にはブドウ畑から日本海のシリパ岬が見える。岬から吹く風が海のミネラルを畑に運び、山からの風が病害からブドウを守るという。
![「名人」藤本毅さんから引き継いだ、推定樹齢50年以上と思われるぶどうの樹。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/e/1280wm/img_5ec19d30620eccfd5d44e15e9c0366be280049.jpg)
2014年、キャメルファームワイナリーはブドウ作りの名人、藤本毅氏から畑を受け継ぐ形で産声をあげた。
![収穫したブドウやワインの成分を調べる分析室。ここでの数値をもとに収穫のタイミングが決められる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/a/1280wm/img_ea71c261f602099cb6cc4f8d20479450128804.jpg)
畑を訪れたイタリアの醸造家、リカルド・コタレッラ氏は余市に惚れ込み、2017年には畑の一角に醸造所が建設された。
![温度・湿度が管理された樽セラーで熟成される赤ワイン、ブラウフレンキッシュ(レンベルガー)。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/7/1280wm/img_87b6a7124873cb6cf134522e88a1ec60165492.jpg)
その後、イタリアで醸造長をつとめていたアンジェロ・トータロ氏を招聘、連日ワイナリー長の伊藤愛さんやスタッフと次なる一本について話し合う。
![看板犬の「うに太」。キャメルファームのワインにも“UNITA”シリーズがある。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/a/1280wm/img_3a9b4700a4060f1b7c9470448a9ae667286945.jpg)
ケルナーなどドイツ品種に加えて、ピノ・ノワールなどフランス品種の収量も増えてきた。
![ソムリエの中西愛さん。実はシェフでもあるという。現在のデザートや今後予定されているワイン会なども担当。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/0/1280wm/img_107901c7a0a49b7d6328c16e75b6a3f6242473.jpg)
そして全員が口を揃えてこう言う。「ここから世界へ」。岬の向こうに目的地はある。
![バスク風チーズケーキ、テリーヌショコラのケーキセット 各700円~。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/7/1280wm/img_77a50524e4d4abdc5a7cc2001f4d401996498.jpg)
CAMEL FARM WINERY(キャメルファームワイナリー)
所在地 北海道余市郡余市町登町1728
電話番号 080-3569-9251
営業時間 10:00~17:00
定休日 火曜(夏期)、月~水曜(冬期)
※テイスティング45mL 400円、グラスワイン90mL 700円~。
https://camelfarm.co.jp/
2022.07.23(土)
Text=Tatsuya Matsuura(babakikaku)
Photographs=Takashi Shimizu
CREA Traveller 2022 vol.3
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。