「たいへんなことをやりたい」。そう話す尾上眞秀さんが、いま歌舞伎座で挑んでいるのは、初めての裾さばきに、衣裳の引き抜きもある『屋敷娘』。「出演をやめたい」と思うほど稽古で苦しんだ『連獅子』を経て、舞台に立つたび、新たな課題に向き合ってきました。眞秀さん14歳の今に迫ります。


引き抜きの衝撃にびっくり!

――『屋敷娘』は大名屋敷に奉公する娘たちを描いた舞踊です。子役としてこれまでに演じて来た女方の役とはやはり違いますか?

 (着物の)裾を引くのは初めてで、その扱いが難しいです。最初は動きに裾がうまくついてきませんでした。楽しみにしていた引き抜き(一瞬にして衣裳が変わる手法)も、瞬間の衝撃がすごくて驚きました。初めての稽古では、体が後ろに持っていかれてしまいました。

――実際に踊ってみて、初めてわかることがあるのですね。

 きれいな形でいるためには、胸を張って、おなかが前に出ないようにしなければなりません。でも、胸は張りながらリラックスもしなければいけない。いろいろなところに気をつける必要があります。

 (曽祖父である七代目尾上)梅幸さんの映像を見ると、すごくきれいなんです。何もしていなくても、ただ立っているだけできれいなのは本当にすごいと思いました。雰囲気もとても素敵です。

――同じ歌舞伎俳優として、曽祖父さまをそのように意識したのは初めてですか?

 初めてです。あんなふうに踊れるようになりたいと思いました。

――眞秀さんはお祖父さまの七代目尾上菊五郎さんが憧れの存在だとずっと公言されていますが、さらに梅幸さんという目標ができたのですね。

 いまは1日1回は、梅幸さんの『屋敷娘』の映像を見るようにしています。どんどん似せていきたいです。

次のページ みんなでプレイするチームスポーツが好き