ベルリンからユネスコ生物圏保存地域にも登録されているシュプレーヴァルトへ。美しい川が流れる豊かな自然と少数民族の暮らしに触れられるピースフルな時間。
森の緑と水の恵みを利した、素朴な暮らしの豊かさに驚く
レーデの博物館へのアクセスは、小さな木橋を渡るか、ボートやカヌーで接岸するしかない。
エントランスで受付を済ませるとソルブの民族衣装を着た係員の女性が、パンと塩を差し出してくれた。ソルブ人が家にゲストを迎える際の、歓待の仕方なのだとか。
ここではソルブ人の伝統的な生活様式を、他の集落からも移設されてきた様々な時代の古民家と屋内展示を通じて、イマーシブに見学できる。
ソルブ人は中世初期、東からやって来てこの地に定住した。自らの国をもたず、ボヘミアやポーランド、プロシアやザクセンに挟まれ、たびたびソルブ語を禁止されるなどの迫害を受けた。
それでも網の目のように走る水路に守られ、自然の恵みと肥沃な湿地での農業を通じて、相対的に豊かな自給自足の生活と独特の文化を保持していた。ロマン派の時代にその生活様式が驚異をもって再評価され、19世紀を通じて近代化が進んでいったという。
家族三世代十数人が暮らしていたという、大きな茅葺き屋根の家には、麻布を織る機織り機が居間に置かれ、魚やチーズを加工する作業部屋や、牛などの家畜の住むスペースが、コンパクトにまとまっていた。パンを焼く窯や、船を造ったり直したりする木工工房、洗濯場などは集落内の共通スペースだったという。
100年前の中欧の、素朴だがエキゾチックな暮らしと知恵に、気付かされることが多々あるはずだ。
Freilandmuseum Lehde(フライラントムゼウム・レーデ)
シュプレーヴァルトの暮らしを身近に感じさせる
かつてのシュプレーヴァルトの生活様式を再現することをテーマとする野外博物館で、1800年前後~1920年代までの10数軒の古民家で構成されている。屋根の上で交差する2匹の蛇はその家を守る象徴といわれ、いずれの家にも備わっている。春先には、ソルブ特有の美しい模様をイースターエッグに描く実演も行われる。
所在地 An der Giglitza 1a, 03222 Lübbenau/Lehde
電話番号 03573 870 2440
開館時間 10:00~18:00(10月1日~11月1日は~17:00、11月最終と12月最初の土・日曜は11:00~)
定休日 11月初旬~3月下旬
https://museums-entdecker.de/freilandmuseum-lehde/
CREA Traveller 2026年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。
