ハリウッドの頂点を極めた男、ジョニー・デップはなぜ表舞台から姿を消したのか――。その裏には、元妻のアンバー・ハードとの6年にもおよぶ泥沼闘争がありました。ここでは『ジョニー・デップの戦い DV疑惑の真実と復活への道』(猿渡由紀 著、文藝春秋)を一部抜粋して紹介します。
2022年4月、ジョニーが元妻を名誉棄損で訴えた裁判がついに開廷。DV疑惑によって代表作『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの主演を降板させられた彼が、法廷で語った「真実」とは?(全2本の前篇/続きを読む)
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裁判開始から6日目。ついにジョニーが証言する瞬間が訪れた。
ジョニー側の弁護士ジェシカ・マイヤーズが最初に投げかけたのは、「今日、あなたはなぜここにいるのですか?」という問いだった。そのシンプルな質問に、ジョニーは、ゆっくりとした口調で、こう答えた。
「およそ6年前、ハード氏は私に対して、まるで事実にもとづかない、凶悪な行為をしたと訴えてきました。それは大きな衝撃でした。そのようなことは一切起きていないのに。一緒にいる間、口論はありましたが、彼女に手を上げたことはありません。女性に対して暴力を振るったこと自体、人生で一度もありません。しかし、彼女の訴えは業界に広まり、『事実』として、メディアやソーシャルメディアを通じて世界中に広まっていきました。そこに全く真実はないとわかっているので、私は自分のためだけでなく、当時14歳と16歳だった子どもたちのためにも、立ち上がる責任があると思いました。
高校生だったわが子は、学校で友人たちから、顔にあざのあるハード氏が表紙になった『ピープル』誌を見せられました。酷いことです。そして、その話はどんどん大きくなってきました。だから、子どもたちのためにも、父がやったとされていることは事実でないと証明したいのです。私はこの業界で35年ほど仕事をしています。その間、今回のような問題は一度も起きていません。私のゴールは真実です。長い年月の間には人からアドバイスを求められることがあり、その時々に私ができるかぎりの助言をしてきました。その人たちに、実は嘘つきだったと思われたくないのです」
いう ©AFP=時事
「私は、自分の正直さを誇りに思っています。真実にしか興味がありません。嘘を次々と塗り重ねていっても、いずれその嘘を隠せなくなるだけです。今日は、この件についてすべてを語ることができる初めての機会なのです」
ドラッグ使用歴を問われて…
イギリスの裁判と同様、アンバーの戦略は、ジョニーが「普段は優しくて魅力的に見えるが、酒やドラッグをやると正気を失い、恐ろしい『モンスター』に豹変して暴力を振るう」人物だと、陪審員に印象付けることだった。そこで、ジョニーの弁護士マイヤーズは、初日に、ジョニーのドラッグ使用歴を問うことにした。
