「なぜ別れなかったのか。おそらく私自身の父が(母からの虐待に)耐えたからでしょう。それに、私はヴァネッサと破局してしまいました。だから、この関係はうまくいかせたかったのです。かつての彼女に戻してあげることができるかもしれないとも思っていました。最初の1年か1年半のアンバー・ハードは、こんなではありませんでした。彼女は突如として私の敵になってしまったのです。彼女のためにするどんなことも、彼女は受け入れてくれなくなった。

 別れなかったのは、彼女を傷つけたくなかったからです。父が出て行き、母が自殺を試みた時の様子は、今もまだ鮮明な形で記憶に残っています。ハード氏も何度か自殺をほのめかしました。それも(別れなかった)要因のひとつでした」

 その間、アンバーはつんとした表情で、目を背けるでもなく、まっすぐ証言台を向いていた。

ショッキングな音声記録

 ジョニーの証言の中では、物的証拠として、過去に録音されたジョニーとアンバーの会話の音声記録も再生された。イギリスの裁判でニコル判事に「私は重視しない」と言われたそれらの音声は、実際に聴くと、非常にショッキングな内容だ。そこには、激しい口論とともに、暴力を認める言葉も混じっている。たとえば、イギリスでも再生された録音のひとつでは、このような会話が交わされている。

「お前、今、俺の顔を殴っただろう」

「殴ったんじゃないわよ。叩いたのよ。あんたの顔を端から端までもっと正しく叩いてあげたら良かったわね。でも、殴ったんじゃないのよ。ベイビー、あんたは殴られたんじゃないの」

「殴られるのがどんな感じかなんて教えてもらいたくないね」

「あんたは殴られたんじゃなくて、叩かれたの。あんなふうに叩いて悪かったわね。でも私は殴ったんじゃないわ。私はあんたを叩いたの。自分の手が実際どう動いたのかはわからないけど、あんたは大丈夫でしょ。怪我させてはいないわ」

「はいはい、お前は強いね」

「私はどうするべき? こうかしら?(おそらく手の動きを見せる?) 私はぐだぐだ言っているだけじゃないのよ。あんたと違ってね。そこが私とあんたの違い。あんたは赤ちゃんね。ジョニー、大人になりなさいよ」

「お前が暴力を始めたよな?」

「ええ、私が暴力を始めたわよ」

 別の会話でも、アンバーは、ジョニーに暴力を振るったことを認めている。

 ある日、ペントハウスでジョニーが喧嘩から逃げ、バスルームに籠ってシャワーを浴びていると、アンバーが追いかけてきて、ドアを激しく叩いてきた。いつまでも諦めないため、ついにジョニーはシャワーから出て、ドアを少しだけ開けた。アンバーがドアに全体重をかけて押し入ろうとしてきたので、ジョニーが阻止しようとすると、アンバーが「足の指が!」と叫んだ。ドアの下に挟まったのかと、ジョニーがひざまずいてアンバーの足を見ようとすると、ここぞとばかりにアンバーが勢いよくドアを蹴り、ドアがジョニーの頭に激しく当たった。ショックを受けたジョニーが立ち上がって、「お前、今、何をしたんだよ」と言うと、アンバーはジョニーの顎を殴ってきた。その翌日の会話だ。

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