「宜候」が聴きたくて

 去るも去ること5月某日。行ってきました、『槇原敬之 Concert Tour 2022 ~宜候~』

 なぜ5月のツアー参戦を今さら書くのか。実はどのタイミングで発信すればいいのかオロオロしているうちに時が過ぎ、もういっそ千秋楽まで待とうと思ったのである。

 槇原敬之コンサート、実は初参戦。復帰作「宜候」が大好きで、うりゃッと勢いでチケットを取ってしまった。これには自分でも驚いている。というのも「ライブや映画で最高に盛り上がってくるとなぜかトイレに行きたくなる症候群」にかかっていた時期が長く、最近は平気なものの、根深いトラウマが残る。ライブに行こうとチケット販売サイトを開きはするが、最悪のタイミングでモジモジしている己の姿がフラッシュバック。ものすごく悩むのである。

 しかし今回は「宜候」への思いが勝った。あの曲を直にこの体に浴びたい。海の向こうまで響き渡るようなマッキーの「ヨーソロー」を生で聴きたい!

 それほど「宜候」のMVを初めて観たとき感動したのだ。ディスプレイからブワッと潮風が吹いてきた!

 誰かの旅立ちを応援するかのような彼の遠く遠くまで響く声と、キラキラ光るカラーテープが美しくて、私は勝手に励まされたのだった。

 さあ、いくぞ生歌「宜候」を聴きに。チケットをコンビニで受け取ったらものすごい後ろの席。はっはっは。もしかして初めて見るリアルマッキーは米粒大なのか。双眼鏡双眼鏡!

2022.07.22(金)
文=田中 稲