いくつになっても動ける身体でいたい

――映画に初主演すること=新しい挑戦にも思えます。檀さんは、新しいことに対してチャレンジする気持ちをもともとお持ちなほうなんですか?

 そうですね。挑戦することは嫌いではないですし、いろいろなことをやりたい、という思いは前々から持っています。初めてのところに飛び込んでいく不安もあるとは思うんですけど、それを上回って挑戦したい気持ちのほうがより強いかもしれないですね。

 だって……やっぱり飛び込んでみないとどんな世界かも分からない、何でもそうだと思うんです。「あのときあれをやれば良かった、飛び込んでみれば良かった」と後悔するのは嫌なので、「やってみたいな」という思いがあったら、そっちに行っちゃう感じです。

――今後「ちょっとやってみようかな」など、新たに考えていることもありますか?

 実は、ちょっと前まではワイヤーアクションをやりたいと思っていました。そのとき通っていたジムの先生に、「激しいアクションをする役がきても、動ける身体にしておきたい!」とお願いして、すごくトレーニングした時期がありました。

――そうだったんですね! ……とはいえ、もともと動ける方ですよね?

 どうでしょう……!? けれど、今はそういう鍛え方というよりも、いくつになっても動ける身体でいたいなと一番思っていますね。

 もともと私は宝塚歌劇団の娘役をずっとやっていたので、そのときの身体の使い方グセみたいなものがついているんです。娘役には娘役の身体の使い方というのがあるので、今はその身体の使い方グセを直して、ゼロから身体を作り直している途中です。ちょっとニュートラルに戻したいな、という気持ちがあります。

――いつくらいから、そうした身体の改革をされているんですか?

 3、4年ぐらい前からやっています。娘役は女性が演じる男役に寄り添うので、キュッと小さくコンパクトに見せる身体の使い方をするため、肩周りをグーッと縮めるような動きをしていたんです。

 それが自然と自分の中に残っているので、縮んで使ってしまう身体を伸ばして、伸ばして……という方向で今やっています。脳の考え方グセから直さないといけないのですごく時間がかかるんですけど、いくつになってもいろいろな表現ができる自分でありたいので、気長に地道にやっていこうと決めました。しなやかに伸びやかに、いくつになってもどんな役でも演じられる身体になるために、今はリセット真っ最中です。

2022.06.03(金)
文=赤山恭子
撮影=佐藤亘
スタイリスト=髙橋正史(OTL)
ヘアメイク=黒田啓蔵