仕事も私生活も、考えて考えて、考えすぎて……?
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「考えなくていいことまで考えてしまう」と、波瑠さんはインタビューで自身の性格について切り出した。役についての熟考はもちろん、人付き合いの面でも「あの人は、なぜああいうことを言ったのだろう」と、あらゆることにおいて思いを巡らせるタイプだという。
細部まで徹底的に考えることができる人だからこそ、物語で生きるキャラクターにも説得力を持たせられるわけだ。……とはいえ、日々の生活を送る上では「ちょっと疲れちゃいます(笑)」と波瑠さんははにかむ。
Amazon Prime Videoドラマ『恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~』では、波瑠さんは、自分に自信が持てず、30歳で恋愛経験ゼロの図書館員・岡部聡子を演じた。
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役に寄り添い喜怒哀楽するという波瑠さんは、聡子を通してどんな感情を持ったのだろうか。さらには、あまり考えすぎないために編み出した波瑠さん的方法や、「需要がなくなりました(笑)」と語る意外(?)なエピソードまで、屈託のない素顔を見せてくれた。
「ホントに聡子ちゃんは難しいんだなあ」
――『恋に落ちたおひとりさま』で演じた聡子は、波瑠さんから見てどんな印象の女性でしたか?
不器用というか、楽に生きられない子なんだな、と思いました。過去に起こったある出来事のせいで、強いコンプレックスが自分の中にある女性なんです。「幸せにはなりたい」と思うけど、人と関わると傷ついちゃう、という感じで。もっと適当にやっている人なんていくらでもいるのに、ホントに聡子ちゃんは難しいんだなあと思いました。
――そんな生きづらさを抱えていた聡子が、少しずつ変わっていきますよね。演じていて波瑠さん自身が楽しかったシーンはありましたか?
最初はずっとひとりでいた聡子が、いろいろな人と会話をするようになっていく段階は、すごく面白かったです。うれしかったのが、聡子ちゃんが読み聞かせをしたり、職場で努力していることが周りの人に認めてもらえたときでした。自分というものを他人に許容されたときはものすごくうれしいというか、自信につながると思ったんですよね。
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「あなたはあなたのままで良いんですよ」と認めるのは、自分ひとりではできない作業じゃないですか。自分には届かないところにある鍵を誰かに開けてもらう、みたいな感じで。
あとは、お部屋でスタンダールを呼んでいるときも素直に楽しかったです。かわいいなと思いながら(笑)。
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――スタンダール役の小日向さんのひょうきんさ、聡子とのやり取りも見どころですよね。小日向さんとの阿吽の呼吸はどう生まれたんでしょうか?
小日向さんとはテスト前にアイデアを出し合い、「この台詞のときにこっちに行くのはどう?」、「逆にこっちに行くのはどう?」と何度も何度もすり合わせしました。小日向さんが雰囲気作りから何から全部リードしてくださったので、本当に小日向さんのおかげです。私はその船に乗っかっていただけ、でした。
2022.03.19(土)
文=赤山恭子
撮影=深野未季