魚のサクのそぎ切りはしゃぶしゃぶやカルパッチョに!

 そぎ切りに慣れると、魚のサクから刺身が引けるようにもなります。

 魚のサクは全般的に高めなので、練習台にはちと大変。なので、まずは鶏むね肉で慣れていくのがおすすめ。

 写真のサクはブリです。

 同じように斜めに包丁をあてて、刃先まで使うイメージで手前に引いて切ります。

 ブリやブリの幼魚(イナダやワラサなど)をそぎ切りにして、しゃぶしゃぶにすると実においしい……。大好物なのです。

 昆布だしにサッとくぐらせて、おろしポン酢なんか最高ですよ。

 ほどよく脂がぬけて、生で食べるのとはまた違うおいしさ!

 ブリ大根やブリの照り焼きはもう自分にはこってりしすぎて……という方に、ぜひ味わってみてほしいです。

 サクからそぎ切りできると、経済的に魚がたっぷり楽しめるのも嬉しいところ。栄養的にも魚、積極的にとりたい食材ですしね。

 サクからそぎ切りをするようになって、私はカルパッチョを作ることが増えました。

 そのとき手頃なサクを買って、塩をしてオリーブオイル少々だけでいいつまみになりますよ。上の写真はカンパチで、黒コショウを挽いています。

 そぎ切り、「きれいにやろうと思わない」のがうまくなるコツです。

 別に寿司職人になるわけじゃなし、なんとなく幅広に切れていればそれでOK! 自分で食べるんだし、うまくならなくなって全然いいんですから。

 もしよかったら、ぜひお試しを。今回はそぎ切りのススメでした!

白央篤司(はくおう あつし)

「暮らしと食」がテーマのフードライター。著書に『にっぽんのおにぎり』 (理論社)、『自炊力』 (光文社新書)など。現在オレンジページ、メトロミニッツ、ハフポストなどで連載中。料理家としても活動、企業へのレシピ提供などを定期的に行う。人物撮影:内藤恵美
http://hakuoatsushi.hatenablog.com/

Column

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2022.03.11(金)
文・撮影=白央篤司